新型コロナウイルスの発生源とされる中国湖北省武漢市内で取材を続けていた3人の市民ジャーナリストが、2月から行方不明になっている。音信が途絶えているのは陳秋實さん(34)、方斌さん、李澤華さん(25)の3名で、武漢市内の様子をSNSやYouTubeで発信していた。『ラジオ・フリー・アジア(RFA)』『Metro』などが伝えた。
新型コロナウイルスの感染拡大で封鎖されていた武漢市の市場や病院、火葬場、そしてウイルス研究所などに足を運び、深刻な市内の様子をリポートしていた3人の市民ジャーナリストが2月から行方不明になっている。
武漢市民でもある方斌さんは2月1日、市内の病院の様子を撮影し、遺体を詰んだ袋が葬儀場に運ばれる様子などをレポートしていた。方さんはその日のうちに当局に拘束されたが、自身が拘束される様子を撮影してSNSで発信し、その日深夜には解放された。しかし2月9日、「国民よ、反抗せよ。政府よ、権力を人民に返せ」と短い動画を投稿したのを最後に連絡が取れなくなった。
2人目は人権問題を専門に扱う弁護士でもあった陳秋實さんで、武漢市が封鎖される前の1月24日に現地入りし、市内や病院の様子を動画に収めてはYouTubeに投稿してきた。1月30日の動画では「問題は山積みなんだ。私は真実しか伝えない…。ウイルスが自分の目の前に、中国当局が後ろにいるわけだから、怖いよ。でも武漢で生きている限り取材を続けるよ。私は死ぬことは怖くない。中国共産党、私があなたたちを怖がっているとでも思ってるのかい?」と発言し、