新型コロナウイルスが猛威を振るうアメリカでは、ロックダウン(都市封鎖)が行われ外出が規制されている。医療従事者は過酷な勤務を強いられており、多くの病院では感染リスクを考慮して患者の家族が病院に立ち入ることはできない。そんな状況下で先月下旬、テキサス州在住の男性が愛する妻のために、あるサプライズをして話題になっている。『Good Morning America』などが伝えた。
テキサス州ミズーリシティ在住の3児の母ケリー・コナーさん(40)が乳がんの告知を受けたのは、今年1月のことだった。それからというもの、ケリーさんは同州フォートベンド郡シュガーランドの「MDアンダーソンがんセンター」で化学療法を受けており、夫のアルバートさん(44)はケリーさんが病院へ行く時は必ず付き添い支えてきた。
しかし新型コロナウイルスの感染防止のため、最近になって病院が患者以外の立ち入りを禁止し、妻に「全ての治療に必ず付き添うからね」と約束をしていたアルバートさんは心を痛めていた。そこでアルバートさんは、ケリーさんが病院へ行く日に間に合うように大きなボードを用意し、メッセージを書いて子供たちと一緒に色を塗った。家族からのありったけの愛を込めたボードはこうして完成した。
3月下旬のある日、ケリーさんは化学療法を受けるため、初めて1人だけで病院に向かった。そして部屋に落ち着いてしばらくすると、アルバートさんから携帯電話に「今、外の駐車場にいるよ」とメッセージが届いたのだった。窓の外に目をやったケリーさんは、道路の向こうにアルバートさんの姿と大きなボードを見つけて言葉を失った。
ボードはケリーさんが治療する部屋の窓から見えるように置かれており、