米時間4月7日に予定されていたウディ・アレンの回顧録だが、出版元のアシェット・ブック・グループ(HBC)が急遽発売中止を発表した。出版日が発表された後にはウディの養女が激しく抗議、さらにアシェットのニューヨークとボストン支社の社員達は出版への抗議としてストライキを起こしていた。
アシェット系列の出版社「リトル・ブラウン・カンパニー」がウディ・アレンの回顧録を出版すると発表したのは、現地時間3月2日だった。その後、ウディから過去に性的虐待を受けたと告白した養女のディラン・ファローさんが声明を発表し、今回の出版に対して激しく非難した。アレンの実子でジャーナリストのローナン・ファローさんは、アシェット系の出版社から本を出版している。ローナンさんが執筆した『Catch and Kill』は、権力のある男性がセクハラや不正行為に対する罰をいかに回避するかといった内容で「#MeToo」運動のきっかけとなったセクハラ調査の経緯を描いたものだ。
このほどウディの回顧録の発売中止に、出版社のアシェット・ブック・グループは声明文を以下のように発表した。
「アシェット・ブック・グループは、2020年4月に発売予定していたウディ・アレンの回顧録『Apropos of Nothing』を発売しないという決断を下しました。本の権利は、著者に戻されます。」
「アレン氏の本の発売をキャンセルすることは、厳しい決断でした。HBCは著者との関係を非常に深刻に受け止めており、簡単に発売をキャンセルすることは決してありません。これまでにも興味深い本を数多く出版してきましたが、今後も同様に挑戦的な本を出版していく予定です。」
アシェットによる突然の発表に、