毎年、第一次世界大戦休戦記念日の11月11日が近くなると、イギリスをはじめオーストラリアやカナダといった英連邦王国で、戦争で亡くなった人達を追悼するために胸にポピーの花飾りをつける人が多く見られる。しかしこのほどオーストラリアの戦争記念館で、このポピーの花が大量に盗まれていたことが分かった。『The Canberra Times』『Mirror』などが伝えている。
豪キャンベラにあるオーストラリア戦争記念館では、11月11日の戦没者追悼記念日(リメンブランス・デー)を控えて無名戦士の墓に記念日のシンボルである赤いポピーの花がいつも以上にたくさん捧げられていた。しかし最近、このポピーの花が減っていることに同記念館のスタッフが気づいた。戦没者を追悼するための花とあって、それを盗むとは戦争で亡くなった人達への冒涜とも取れる。
ところがこの“ポピー泥棒”がすぐに判明した。館内のメンテナンスを行っていた業者が、記念館のメモリアルホールにある大きなステンドグラスの窓の脇に巣作りをしていた鳩を見つけたのだ。その鳩は鮮やかな赤いポピーの花でいっぱいの巣の上にいた。
負傷した兵士が描かれたステンドグラスに真っ赤なポピーで作られた鳩の巣は、戦争で亡くなった人達に対して哀悼の意を表しているかのようで、