米カリフォルニア州バイサリア在住の10歳の少女が、交通事故に遭い脳死状態に陥ってしまった。家族は脳死を受け入れることができずにいたが、最後は臓器提供という苦渋の決断をした。少女が入院していたバレー・チルドレンズ病院では臓器移植手術の当日、ドナーとなる少女に敬意を示して送り出す「最期の見送り(Honor Walk)」が行われた。同病院では初の試みだったが、厳粛で胸が締め付けられる儀式となった。
カリフォルニア州トゥーレアリ郡で8月7日、一時停止の標識を無視した車が時速60マイル(約96キロ)~80マイル(約129キロ)のスピードでハナ・サラザールさんが運転するバンに衝突する事故が起こった。ハナさんはサマースクールのアクティビティに参加していた子供たちを学校に迎えに行った帰りで、サプライズでアイスクリームショップに連れて行こうといつもとは違うルートを走行中だった。
しかしアイスクリームショップに辿り着く前に、悲劇が起こってしまった。バンに乗っていた子供たちは全員シートベルトをしていたが、ハナさんは後部座席に乗っていたフランシーンちゃん(10)が頭をうなだれ、反応がないことに気付いた。看護師でもあるハナさんは車からフランシーンちゃんを降ろすとすぐにCPR(心肺蘇生)を施したが、その後のことをほとんど思い出せないほど気が動転していたという。
後にフランシーンちゃんはマデラ郡にあるバレー・チルドレンズ病院に搬送されたが、容態が回復することはなかった。そして様々な検査の結果、医師らはフランシーンちゃんが脳死状態であるとの結論を出し、家族に伝えた。
家族は当初、医師の言葉を受け入れることができなかったが、