南アフリカでは路上で物を売る人の姿があちこちで見られ、ビーズでできた動物などの装飾品、アフリカンアート、車で利用するグッズなど信号待ちの車をターゲットにした商売は多い。そんな中、路上で雑誌販売をしていた男性が、ある家族から車をプレゼントされたことが話題になっている。
「ビッグイシュー(Big issue)」はホームレスや無職の人らが少しでも賃金を稼げるようにサポートするNPO団体である。団体が発行した雑誌を「ベンダー」と呼ばれる販売者のホームレスが12.5南アフリカランドで購入し、倍の25ランド(約205円)で販売する。そのためベンダーは、雑誌分の利益を100%得ることができる。
その雑誌販売をケープタウン・ヌールトフックの路上で10年以上も行うボンガニ・フォロさんはある日、とんでもない幸運に恵まれた。いつも気軽に挨拶をしていた家族から車をプレゼントされたのだ。
幸運を運んできたのは、地元ミュージシャンのジェレミー・オリバーさん一家。家族は1月25日に新車を購入したのだが、フォロさんと5年前に交わしたある約束を果たすため、路上に立つ彼に会いに来た。
オリバー夫人は5年前、フォロさんが自分の車に興味を持って話しかけてきたので「次に新しい車を買ったらこの車をあげるね」と約束していた。気さくなフォロさんは、一家を見かけると「まだ僕の車を持ってるんだね」「いつその車をくれるの?」と話しかけていたが、夫人の言葉を冗談だと思って本気にはしていなかった。
そして1月最後の週末、