その国独自の文化や慣習は尊重すべきだが、法律で犯罪と定められた以降も一部の地域で根強く残る慣習のために命を落とす人がいるとなれば別問題だろう。このほどネパールで、生理中の母親がヒンドゥー教の慣習に従って家や家族から隔離されていた小屋で2人の息子とともに死亡した。『Sky News』『BBC News』『Fox News』などで報じられた。
ネパールには「チャウパディ(Chaupadi)」と呼ばれるヒンドゥー教の古い慣習がある。
月経が毎月来る女性は、少女も同様穢れたものとみなされ、家にいると神を不快にし人や家畜、土地に不幸や災難をもたらすと信じられてきた。そのため生理中の女性たちは「不浄な存在」として牛や男性に触れることを許されず、家の中の食べ物を口にすることも禁じられた。また、家のトイレや洗い場の使用も禁止され、近くにある狭い小屋か牛小屋、時には歩いて10分~15分かかる深い森の奥の小屋に生理が終わるまで隔離された。隔離期間中の女性らは山地の厳しい寒さに耐えなければならないだけでなく、野生動物からの攻撃からも身を守らねばならない。しかも少女らは学校に行くことも許されないのだ。更に不潔な状況下で隔離されるために感染症を起こすこともあり、外部から性的暴行を受ける可能性もある。
チャウパディは2005年に同国で禁止となったが、