ただ黒人であるというだけで、疑いをかけられ通報されるという現在のアメリカ社会はあまりにも悲しい。つい先日も、白人のベビーシッターをしていた黒人男性が、それを目撃した白人女性に通報されるという出来事があり、その様子が収められていた動画はソーシャルメディア上で拡散した。今回も再び、黒人男性が白人女性に理由もなく通報された。男性は自分の家に帰ろうとしていただけであったが、白人女性は男性の行く手をブロックし後をつけ、男性がアパートに入るのを見届けた後に通報したのである。男性はこの一部始終を動画に収めてFacebookに投稿した。『The New York Times』『abcactionnews.com』『Metro』などが伝えている。
ミズーリ州セントルイスで10月12日の夜、アパートの自室に帰ろうとした黒人男性ダーレイオン・トールズさん(24歳)は、アパートのメインエントランスで犬を連れた白人女性に行く手を遮られた。その瞬間、トールズさんは身の危険を感じてすぐにこの状況をスマホの動画に収めた。録画された会話の内容は下記の通りだ。
トールズさん「入口で立たれていると通れないんですが。」
白人女性「私の住む建物に入ろうとしているからよ。」
トールズさん「私が住む建物でもありますよ。どいてください。」
白人女性「どの棟に住んでるの? ここに住んでいることを証明して。」
トールズさん「あなたにそんなこと言う必要はないでしょう?」
白人女性「不愉快だわ。」
トールズさん「そう思うなら思えばいい。それはあなたの勝手です。私は中に入りたいだけなんだ。どいてください。」
白人女性「ダメよ。ここに住んでると証明してくれたらどくわよ。私の建物に入りたいなら鍵を見せて。」
トールズさん「あなたの建物ではないでしょう? あなたはこのアパートの所有者でもないし、警備員でもない。どいてください。」
このようにエントランスでの押し問答がしばらく続いたが、トールズさんは女性を押しのけて中へ入った。すると女性はエレベーターに乗ろうとしているトールズさんへ近づき「ここに住んでいるのなら鍵を見せて。どの棟に住んでいるの?」としつこく質問を繰り返した。更には一緒にトールズさんとエレベーターに乗り込み、後をついてきた。
録画を続けていたトールズさんは、