日本ではパスポートのコピーなどを証明する際に公証役場へ行き、原本の写しであると証明する必要がある。南アフリカでは、警察に原本と写しを持って行くだけで、警察官が写しの用紙に原本証明のスタンプを無料で押す仕組みとなっている。このほど、まるで現地ドーナツ売りのおばさんのような服装をした警察官がその業務にあたっていたことが明らかになり、物議を醸している。
南アフリカ・プレトリア近郊のタウンシップにあるマメロディ東(Mamelodi East)警察署で、ピンクのワンピースにエプロン、ピンクのチューリップハットを頭に乗せ、靴下にスリッパというまるで「ドーナツ売りの女性」が、慣れた手つきで警察のスタンプを押し、サインをしている姿が目撃された。一仕事終えた女性は、次の原本証明を手にするとスタンプを押し始めた。
この女性は警察の仕事を勝手にしているのか、本物の警察官なのかと話題になった。その後、警察はこの女性が間違いなく警察官であることを確認した。
住民によると、このようにプロ意識に欠ける警察官の存在は今に始まったことではなく、30分待ちぼうけをくらうことも当たり前とのことだ。住民の一人であるリンディウェ・マクアさんは、携帯を紛失したため宣誓供述書を発行してもらうために警察を訪れた際、用紙を受け取るだけで45分も待たされたという。しかも記入方法について詳細な説明がなかったため、繰り返し確認をしなければならなかった。「警察は政府の公共施設だから市民を第一に考えるべき場所のはずだが、この国ではまったく頼りにならない。警察官は緊張感がなさすぎる」とマクアさんは嘆く。
またある住民は、今年の初めに隣家のドメスティック・バイオレンスを警察に通報したが、