海外発!Breaking News

writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】強制的に結婚させられた娘を守ろうとした母親、娘の夫に刺殺される(英)

マリクさんの車で再びムハンマドと暮らしていた家をあとにした。

しかしその後、思わぬ悲劇が起こった。2月7日、ラーマンさんが自宅キッチンの床で血まみれになって息絶えているところを発見されたのである。母親に連絡がつかないことを心配したアイシャさんが、姉に様子を見るよう頼んだところ、姉は母親の惨劇を目の当たりにした。救急隊員が駆けつけるもその場で死亡が確認され、後の検死結果では体の前部分に致命傷となった3つの大きな刺し傷があったことが明らかになった。

ラーマンさんの手は刃渡り約30cmのナイフを握っていた。刺し傷のひとつは胸骨と心臓を貫通しているもので、自殺でそのような刺し傷をつけることは非常に困難とされるものの、技術的に不可能とは言い切れないようだ。しかしアイシャさんは捜査官に「母は自殺をするような人ではない。そんな理由がない」と自殺を否定し、アイシャさんが去った後にムハンマドから電話で「お前を見つけ出して連れ帰る。俺が誰だか思い知らせてやる」と脅迫されていたことや、頻繁にアイシャさんに「お前の家族の誰かがそのうち殺されるぞ」などという脅しを聞かされていたことを打ち明けた。

ラーマンさんの遺体が発見された後も、英語が話せないムハンマドはアイシャさんに義母の死を悼む言葉など全く口にせず「警察は俺を疑っている。俺は何も関係ないと言え」と、保身ともとれる言葉を発しただけだった。後にラーマンさん殺害容疑で逮捕されたムハンマドは、現在も容疑を否認している。

マンチェスターのミンスハル・ストリート刑事法院で行われた裁判で、アイシャさんはムハンマドと住んでいた家に荷物を取りに帰った日、ラーマンさんがマリクさんに「娘をよろしく頼みます」と言い、アイシャさんにも「人生を台無しにせず頑張るのよ。どこにいてもあなたが幸せなら、私も幸せよ」と励ましの言葉をかけていたことを明かした。ムハンマドとうまくいかなかったことで、アイシャさんは父親との仲がこじれてしまったが、父親が強制的にムハンマドと結婚するよう勧めた時も、ラーマンさんはムハンマドと一緒になれとは決して言わず、結婚が破綻しても「家族の恥」と口にすることなど一切なかったそうだ。

しかし、陰でラーマンさんは揺れる家族関係に悩んでいたのだろう。かかりつけ医から抗うつ剤を処方され飲んでいたこと、2017年11月には医師に「気分が落ち込んでいる」と話していたことも法廷で明らかになった。過去にラーマンさんが精神疾患を抱えていたり、うつの診断が下されたことはなかったという。裁判は今後も続く予定である。

画像は『Metro 2018年8月10日付「Mum stabbed to death ‘after helping daughter to escape from arranged marriage’」(Picture: MEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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