世界には親が幼い子供の結婚を決める国が多数ある。このたびはナイジェリアの話題だが、14歳の少女がその結婚生活を嫌がるあまり夫を毒殺したとして、死刑に直面している。14歳はそもそも結婚にふさわしい年齢ではないと国際的人権団体が少女を擁護しているが…。
少女が結婚相手を含む4人の大人を毒殺するという事件は、ナイジェリア・カノ州ウングワルヤンソロ村で今年4月に起きた。殺人罪に問われ、死刑を求刑されているのは14歳のワシラ・タシウ(Wasila Tasi’u)被告。ジェサワの高等裁判所の裁判官が同被告に死刑を言い渡すことのないよう、国際的人権団体が強く牽制しているもようだ。
少女はイスラム教徒の貧困家庭で育ち、夫となるのは妻を何人も抱える35歳のウマル・サニ(Umar Sani)さんという農家の男性。4月5日に結婚式を挙げたが、その後に開催された宴において食事に毒が混ざっていたことからサニさんと同席の3名が死亡。警察はその後、7歳の少年が近所の店でネズミを駆除するための殺鼠剤を購入し、ワシラ被告に渡していたことを突きとめ、検察側は同被告に殺意があったとして死刑を求刑している。
法廷で同被告は無罪を主張し、父親のイシャク・タシウ(Isyaku Tasi’u)さんも署名を集めた嘆願書を提出。弁護人も14歳は少年法の適用範囲であり死刑はありえないとして徹底的に闘う気配を見せている。これを後押しする“Human Rights Watch”ほか国際的人権擁護団体は、「2倍以上も年齢が離れた男性との結婚を無理強いすること自体が犯罪。少女は犠牲者だ」と強い反発を表明している。
ただしその地域で14歳の結婚は珍しいことではなく、ワシラ被告も両親の勧めたその結婚に渋々同意していた、問題は性的嫌悪感にあったとの報道もある。そのためたとえ殺意があったものと認めるにしても、同被告をまだ思春期の少女と捉えるか新婚間もない妻と捉えるかで争点がぼやけ、それが量刑を左右する可能性は大きい。判決は12月22日に言い渡されるという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)