世界の中には、「親の了承を得ないで結婚することは犯罪、身内の恥」と言い切る人々がまだまだいる。パキスタンのイスラム教徒の家庭で、またしても“身勝手な結婚”に関する悲惨な殺人事件が発生した。
親の反対を押し切って結婚しても、可愛い孫の顔でも見せればこじれた関係も自然と修復に向かうもの…!? とんでもない。パキスタンやインドにおける結婚観は、長い歴史においても、また現代においても、理不尽な慣習や思想に支配されているのだ。このたびパキスタンで、またしても新婚の男女が「親族の名誉にかけて」という理由で殺害されてしまった。
米『Fox News』が伝えているところによれば、パキスタン・パンジャーブ州のサトラ村で27日、新婚1か月も経っていないサジャド・アフメドさん(30)とムアフィア・ビビさん(17)のカップルが、ナイフで体を切り刻まれて殺されるという大変痛ましい事件が起きた。2人を襲ったのはビビさんの祖父、両親とおじ2名。駆け落ちしていた2人に「君たちの結婚を祝福したいから戻ってこい」と嘘をついておびき寄せたのであった。親族がこのような暴挙に出たことについて、父親は警察当局に「娘は親の承諾も得ずにアフメドのような男と結婚した。アフメドはこれが3度目の結婚で、2人目の妻との結婚期間中に娘に手を出した。これは親族の名誉をかけた制裁だ」と話したという。
子供の結婚は家同士で決めることを善しとしてきたこの国では、年間あたり数百人が、「親の同意なしに結婚して我々の名誉を汚した」との理由で親族の手によって殺害されている。また結婚に至らなくとも殺人事件に巻き込まれる女性は多い。パンジャーブ州では少し前に、ファヤズ・アスラムという26歳の男が、自分のプロポーズを断ったシドラ・シャウカットさんという20歳の女性にガソリンをかけ、焼き殺すという事件も起きていた。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)