末期がんを患い余命幾ばくもない母の願いは、娘の卒業式を見ることだった。このほど米ニューヨークで、母の最期の願いを叶えようと18歳の娘が病室で卒業式を執り行った。朦朧とした意識の中で愛する娘の卒業姿を目に収めた母親は、その翌日に息を引き取ったという。『Inside Edition』『WWLP.com』などが伝えている。
キャシディー・デ=レオンさん(18歳)の母エリザベスさん(51歳)は、2014年4月に大腸がんと診断された。今年の5月には容態が悪化し、6月21日のキャシディーさんの卒業式まではもたないだろうとされていた。しかしエリザベスさんの最期の願いは、やはり愛する娘の卒業姿を見ることだった。
母親の願いを叶えるために、エリザベスさんの長男であるリチャード・ペイガンさんがキャシディーさんの通うニューヨークのワシントンビル高校のブライアン・コノリー校長に連絡し、エリザベスさんが入院している「Vassar Brothers Medical Center(バッサーブラザーズ・メディカルセンター)」でキャシディーさんの仮卒業式をあげることはできないかと相談したところ、その願いが受け入れられた。
5月28日、集まった家族や友人らが見守る中、卒業式用のキャップとガウンを身に纏ったキャシティーさんは、エリザベスさんの病室でコノリー校長から卒業証書を手渡された。記念すべき瞬間に立ち会った兄のリチャードさんは、病床の母の幸せそうな様子を見て、妹のキャシディーさんとともに「母さん、大丈夫だよ。もう安心して逝っていいよ」と伝えたという。エリザベスさんはその言葉に安堵したのか、