視聴者に好感を持たれるようなCM作りのために、広告業界は日々苦戦していることだろう。このほどイギリスで2017年度の「視聴者を最も不愉快にさせたCMランキング」が発表されたが、その1位はKFC(ケンタッキーフライドチキン)だった。英メディア『The Sun』『London Evening Standard』『Metro』などが伝えている。
イギリスの「Advertising Standards Authority (広告基準局 以下、ASA)」が発表した「2017年度最も不愉快なCM」で1位にランクインしたのはKFCで、ASAによるとこのCMへ寄せられた苦情は755件だったという。
CMはアップテンポな音楽に合わせてニワトリがダンスをするというものだが、楽しそうにダンスをするニワトリが向かう先は屠殺場というシニカルな設定となっている。さらにCMの最後には「まるごとチキン」「チキン以外は使っていません」というKFCの質の良さを押し出したメッセージが大きく出る。このCMを見た視聴者からは「ニワトリに対してまるでリスペクトがない」「ベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガン(絶対菜食主義者)、子供らに不快感を与える」という苦情が殺到した。
しかしASAは、このCMを放送禁止にはしていない。なぜなら屠殺の明らかな言及もない上にそれほど深刻ではなく、多くの人の感情を害することがないであろうというのが理由だ。ASAは苦情が寄せられたCMのランク10を発表したが、事実上放送禁止にしたのはそのうちの2つのみだったようだ。
1つめは「Dove(ダヴ)」のCMで、公共の場での授乳についての調査結果を発表したものだ。「問題はない(Fine)」という解答の一方で「胸をさっさとしまうべき(Put them away)」「泣くから授乳するのは絶対間違っている」といった言葉が使われており、