「キスを迫るの? その肌の色じゃイヤよ」と女性。こうして黒人男性は頭から洗濯機に突っ込まれてしまう。やがて白い肌のアジア人男性と化した彼に女性も大満足。そんなCMを制作した中国のある洗剤メーカー。当然ながら人種差別だと大変な物議を醸し、メーカー側の出方に注目が集まっていた。やはり世論を無視するわけにはいかなかったのか、ついにこのほど正式謝罪がなされたが…。
問題のCMは中国の洗剤ブランド「Qiaobi」が放ったもの。黒人男性が口笛とウインクで美しい中国人女性を誘惑するところから始まるが、女性は彼の口に宣伝商品であるカプセルタイプの洗剤をポンと入れると、その頭を無理やり洗濯機に突っ込んでしまう。洗濯が終了し、そこから這い上がって出てきたのは見るからに白い肌のアジア人男性。彼女も嬉しそうにほほ笑むのである。
まるで黒い肌だと汚い、あるいは女性を引き付ける魅力がないとでも言わんばかりのその発想。これにはアフリカン系を中心に世界の国々からクレームが続出していた。中国版Twitter「ウェイボー/weibo」でも中国版LINEこと「WeChat」でももちろん大騒ぎ。何しろ今の中国はアフリカの国々との貿易も非常に盛んで、多数のビジネスパートナーが中国に駐在員を派遣しているのである。やはり正式な謝罪が必要ということになったのか、このほどやっと以下のような声明が発表された。原文は中国語だが、各国のメディアによりそれぞれの言語に翻訳され伝えられているもようだ。
(1)私達は人種差別主義者ではありません。肌の色で人々を判断するべきではないと考え、むしろ人種差別には強く反対してまいりました。
(2)私達の広告が多くの反論を巻き起こしてしまったことを遺憾に思っております。問題の広告は放送中止としますので、インターネットユーザーのみなさん、そしてメディアのみなさんも、動画を紹介するなどこれ以上この問題を広げることがないようご協力ください。
(3)その広告のためにアフリカン系の人々の心を傷つけたことをお詫びします。
(4)「Qiaobi」は家庭用品事業で成功を収めている中国が誇るブランドであり、国際社会においてもさらなる発展を強く目指すものであります。
以上である。ただし、謝罪声明の(1)については「異議あり」の声が多数あがっているもよう。(4)については彼らの思惑とは裏腹に、かなりのイメージダウンでビジネスパートナーを失ってしまった感が否めない。こちらは『DailyNation』さんがYouTubeに27日に投稿した、問題のCM動画である。
出典:https://www.youtube.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)