大金を手にした時の使い道は人それぞれではあるが、宝くじに当選すると散財しその後の人生を転落させてしまうという人も存在する。このほど宝くじの賞金をわずか2か月ほどで使い果たした英スコットランドの障がい者の男性が、ベネフィット(生活保護手当)を打ち切られ極貧生活に陥っていることを英メディア『Metro』『Daily Record』『The Sun』などが伝えた。
スコットランドのノース・ラナークシャー州マザーウェルに暮らすダニエル・ミラーさん(63歳)は、昨年9月に8万ポンド(約1,200万円)の宝くじに当選した。“大当たり”を夢見ていたダニエルさんの願いが叶ったわけだが、この当選が人生を狂わせてしまったと嘆いている。
ダニエルさんは長年健康に問題を抱えており、労働年金省(Department for Work and Pensions 以下DWP)から複数のベネフィット(生活保護手当)を受けていた。しかし宝くじの賞金を得た後もダニエルさんはDWPに申告することなく、賞金もわずか2か月ほどで全て使い果たしてしまった。昨年12月に税務署から通報を受けたDWPが、ダニエルさんの生活保護手当、住宅手当、住民税の減税など複数の手当を打ち切ったことで、現在ダニエルさんは極貧生活に転落してしまったようだ。DWPの対応について、ダニエルさんはこのように語っている。
「9月に宝くじに当選したのは事実だが、DWPにベネフィット支給の面接に行った時には賞金を手にしていなかった。事実、私の口座は7ポンド(約1,000円)マイナスという状況だったんだ。宝くじに当選したことをDWPに申告しなければならないとは知らなかった。書類には生活の状況が変われば申告するようにとあったが、特に詳細は記載されていなかった。だから私は得た賞金を息子2人や娘の家族に分け与えて、それぞれ一家の旅費も出した。クルーズ旅行やスペインのベニドルムへの旅行もして、台所やリビング、浴室など家も改装した。妻ブリジットと自分のための衣類も購入したり、近所の人たちや友人らにも金銭的援助をしたんだ。だから2か月で賞金は消えてしまった。宝くじで何億という賞金を得ている人がいる中で、自分たちはほんの少し幸運に恵まれたと思っていた。それなのに、DWPから手当を打ち切られるという罰を与えられてしまったんだ。」
ベネフィット支給を止められたダニエルさんの現在の収入は、