「お金持ちの高齢者」といっても、その遣い方、遺し方の形は実にさまざまである。豪華な旅行、ギャンブル、夜遊びなどで散在し精一杯人生を謳歌しようという人々もいれば、動物愛護団体やガンや難病に向き合う医療研究所などにポンと寄付する旨の遺書を残す人々も。そして中にはこのような女性も。米フロリダ州で宝くじに当選した御年90歳という超高齢女性の決断が話題を呼んでいる。
『FOX13 News』が伝えているところによれば、キャリーオーバーが続いていたせいでその宝くじの当選金額はなんと43ミリオン・ドル(日本円にして約48億円)にもなった。これを見事に当てたのはフロリダ州ピネラス郡のラーゴに暮らすルビー・ソラー(Ruby Sorah)さん。2月17日、各種税金を引いた約31ミリオン・ドル(約35億円)を一括で受け取ったという。
しかし物欲がなく質素な暮らしを好んでいたルビーさんとその家族は、「こんなに頂いてしまっても私たちが今、欲しいのは芝刈り機の新しい点火プラグだけです」と実に謙虚。当選金のほぼ全額を親族に分配してしまった。普通の人が高額の宝くじを当てたら、まずはローンを返済して豪華な家の購入を考えるもの。この話題が広まると、ルビーさん一家は「最高にハートウォーミングな人格者たち」と称えられた。
超高齢となった自分よりも、今、そしてこれから先にそれを必要としている若い人々に役立ててもらった方がお金の価値が生きる、と考えたルビーさん。また自身にもしもの日が訪れた際の遺産相続争いも心配だったのであろう。かといって、お金を棺に入れてあの世に持って行くことは叶わない。だが資産家の高齢者の多くが、それらを十分に理解していてもなかなかルビーさんのようには振る舞えない。そんな彼らに理由を尋ねれば、「お金を与えても若い人たちがニコニコするのはいっ時だけ」といった答えが返ってくるものである。
出典:http://www.detroitnewstime.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)