~ 実は誤解もいっぱいのドバイに関する思い込み ~
今回のドバイへの取材旅行で、この国に対するたくさんの誤った思い込みがあったことに気が付いた記者。やはり現地に足を運んでみないとわからないことだらけですね。自分の目で耳で確かめたことをお伝えしたいと思います。
■税金がない → 一部誤解です
UAE人なら公立教育機関の教育費は無料、医療費も無料だそうです。そして税金はもちろんゼロ…でした。ただし事情は徐々に変わってきているようです。ドバイでは今年1月から間接消費税ともいわれる「付加価値税(VAT)」の導入があり、タバコと栄養ドリンクに100%、ペリエを除く炭酸飲料水に50%の税金がかかるようになったもようです。
そしてドバイのホテルでは、2014年3月31日から1泊当たり7~20AED(日本円にして数百円)の「ツーリズム・ディルハム(宿泊手数料)」が課せられるようになっています。ただしショッピングに関しては「消費税が入るといくらに」「免税店で買った方が得か」などと計算する必要は一切ありません。また生活必需品の価格は最低限に抑えるという首長の方針により、水の500ml入りペットボトルは60円弱で買えます。高い税率によりアルコールは大変高額ですが、そのせいか“酔っ払い”に遭遇することは一度もありませんでした。あくまでもクリーンな街を目指すドバイから学ぶものは非常に多いと感じます。
■ドーハとドバイを混同してしまう → 理解できます
ともに中東金満国家の都市同士。「ド」で始まる3文字と語呂の感じも似ているせいでしょうか。開発という意味では、パーム・ジュメイラを強く意識したであろう人口島をせっせと作るなどドーハはドバイをたっぷりと意識しており、追い付け追い越せと必死なイメージもあります。しかし豊富な天然ガス資源を強みに国内総生産(GDP)においてここ20年ほど世界首位をキープしているカタールは、2022年のFIFAワールドカップ開催に向けて最新スタジアムほかの建設ラッシュに沸いています。実はこの中東の2大都市、直線距離にすると東京~京都ほどしか離れていません。形にたとえると、右を向いているアイリッシュ・セッター犬の頭部と胴体がUAEで、ドバイはうなじの部分。立っている尻尾がカタールで、ドーハは東岸中央にあります。両国とも南側は広大なサウジアラビアの砂漠地帯です。
■写真を撮ってはならない相手、場所がある → その通りです
政府関連機関、警察、軍の建物など写真撮影はご法度です。空港の出入国エリアも禁止です。またムスリムの女性も許可を得ずに撮影することは許されません。ちなみにガソリンスタンドもNG。政府が運営しているためです。
■女性が肩や脚など素肌を出すのはご法度 → 一部誤解です
モスクに入る時にはストールで髪を覆うなどの配慮が必要で、高級なレストランはドレスコード(多くが「スマートカジュアル」)に従います。でも街やビーチ、ショッピングモールではショートパンツにタンクトップほか、肩や脚を出した外国人女性観光客がたくさん歩いています。
ホテルのプール、ビーチで女性は皆さんビキニです。ご覧ください、この透明で美しい海を。脚だけ浸けてみましたが水が温かくて波が静か。とても気持ちが良いものでした。
つまりドバイに限っては、節度を守ればうるさくないと言えるのではないでしょうか。ただ冷房がとても効いているため薄着では体が冷え切ってしまうと思います。何しろ冷房は、ガンドゥーラ(男性)やアバヤ(女性)を着た自国民が暑くないようにという温度設定なのですから。
■左利きの人は特に注意すべきことがある → その通りです
イスラム教徒にとって、握手、何かを差し出す、受け取る、相手に触れる、食べ物や飲み物を取る、こんな時に左手(不浄とされる)を使うことは失礼にあたるとのこと。十分に気を付けていたつもりでしたが、記者も右手がふさがっている時などには不覚にも左手が前に出て「おっとイケナイ」を連発していました。
■砂漠にパラダイスを築く=ラスベガスの二番煎じ? → 誤解です
ドバイにはラスベガスが売りにしているギャンブルやアダルトなショーは一切なし。「目のやり場に困る」といった心配がないことも、ドバイが子供連れやハネムーナーに最適と感じる大きな理由です。またラスベガスが娯楽都市としての発展を目指したのに対し、