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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】「サイバー心気症」の34歳女性、ネットでの健康チェックが止められず(英)

体温を測る。熱が高ければ感染症のリスクが高いと自己判断し、低ければ低体温症の可能性も考える。「私は糖尿病ではないですが、血糖値が高いのです。だから糖尿病のリスクがあるということはインターネットで調べたおかげで知っています」と話す。ネットに頼る自己診断がもとで、2011年には心臓発作を起こしたと確信し、一晩入院したこともあったという。

「胸が痛んで体の左側が痺れ、腕を上げることもできませんでした。すぐにNHS(英国民保健サービス)のサイトを見たら、私の兆候が心停止を起こすものであることを知ったのです。」

緊急通報し救急車を要請したローラさんは、救急車の中で血圧測定と同時に酸素マスクを装着された時に「自分はもう死ぬかも」と思ったそうだ。しかし、入院先の医師からは「心臓発作ではなく不安発作を起こした」と伝えられた。ローラさんの不安恐怖症は止まらず、腕に湿疹を見つけて髄膜炎を疑い999通報したこともあったそうだ。最近では指の1本が痺れ続けたために検索すると、脳腫瘍の初期症状と出たことでローラさんを悩ませたという。

ローラさんは母親が老人ホームの住み込み管理人をしていたことから、老人ホームで育ち、多くの高齢者がそこで息を引き取る姿を見てきた。死に対してはある程度慣れていたはずのローラさんだったが、14歳の時に親友が交通事故に巻き込まれて死亡するという悲劇を目の当たりにし、ネットで様々な医療情報が溢れる時代になると、自身の健康状態に過敏になってしまったと語っている。

一日の終わりには「今日も生きることができた」と安堵するローラさんを心配した妹は催眠療法をすすめているが、ローラさん自身は「ネットでこんなに多くの医療情報にアクセスできることはある意味精神的拷問だけど、止められない」と口にする。また「サイバー心気症」を自覚しているだけに、「いつか深刻な病気になってしまった時に、『また大げさなことを言っている』と誰からも信じてもらえなくなるのが怖い」とも話している。

ローラさんのように日々こうした不安を抱え健康状態をネット検索する「サイバー心気症」を患う人たちについて、精神科医のアビゲール・サン医師は「人間ならば誰にでも起こる健康状態の変化を深刻な病と思い込むことで更なる不安を煽り、症状を悪化させるだけだ」と苦言を呈し、「ネットでの自己診断を止めて医師にかかるように。もし何も問題ないのなら心配せずその診断を受け入れ、それでも不安になるようならばストレスに対応する心理療法の一種である認知行動療法をお勧めする」とアドバイスしている。

画像は『The Sun 2018年1月18日付「DOCTOR GOOGLE Stay-at-home mum, 34, admits she checks Google everyday and thinks she is going to die — as experts slam rise of cyberchondriacs」(IMAGE: NORTH NEWS AND PICTURES)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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