1997年に兵庫県神戸市で起こった当時14歳少年による「連続児童殺傷事件」は日本中に衝撃を与えたが、イギリスでも1993年に国民を震撼させる事件が発生していた。当時2歳の男児を誘拐し殺害した犯人は、なんと10歳の少年2人であった。その後少年2人には新しい身分が与えられていたが、1人は2010年に再逮捕され、このたび35歳で再び刑務所に引き戻された。英メディア『The Sun』『Metro』『Mirror』などが伝えている。
イギリス全土に大きな衝撃を与える事件が起こったのは、1993年2月12日のことだった。学校を無断欠席してマージーサイドのブートルにあるショッピングセンターを訪れたジョン・ヴェナブレスとロバート・トンプソンは、食肉店で買い物中の母親を店の外で待っていた当時2歳のジェイムズ・バルジャー君(日本では「ジェームス・バルガー事件」として表記される)をショッピングセンターの外へ連れ出した。
その後、2人はジェイムズ君と約4km歩き、人気のない水路でおよそ10kgの鉄の棒や煉瓦、石でジェイムズ君を殴打、そのまま線路に放置した。ジェイムズ君は失踪から2日後に身体が切断された形で発見されたが、この残虐な事件の犯人が10歳の少年2人であったことに世間は驚き大きなショックを受けた。
裁判では無期懲役を求刑されたものの、2001年に18歳で釈放となった2人には新しい身分が与えられ、法と社会の保護のもと新たな生活を送ることが許された。ところがヴェナブレスはその後、犯罪を繰り返すことになる。
ヴェナブレスは2008年にコカイン所持と喧嘩で逮捕され、2010年2月には自宅で児童ポルノ写真を所持していたことから児童ポルノ規制法違反で2年の有罪判決を受けた。2013年に仮釈放の身となった後は再び身分を変え、英北部のとある場所に暮らしていると言われていた。
現在35歳になるヴェナブレスは再犯の事実から要注意人物として保護観察対象となり、定期的に警察の訪問を受けていた。しかし先週、自宅のラップトップパソコンに児童虐待画像を保有していることがわかり再び逮捕された。