幼い我が子が病に侵されているとあっては、どんなことをしても救ってやりたいと思うのが親ではないだろうか。しかし中国湖北省宜城市のある母親は我が子の治療費となるべき金を持ち逃げし、病と闘う息子を捨てた。あまりにも非情なこの母親に世間は怒りを露わにしている。中国メディアの報道を受け、英メディア『The Sun』『Metro』などが伝えた。
フー・ハオヤンちゃん(2歳)は2016年5月、小児の肝臓に発生する稀な悪性腫瘍である「肝芽腫」と診断された。がん治療や手術が必要とされる中、幼い我が子が痛みに苦しむ姿を見るのは親として辛いものに違いないが、それでもそばにいて支えている母親や父親は多々いるものだ。ところが告知から半年後の11月、最初の腫瘍摘出手術が行われる直前にハオヤンちゃんの母親は治療費として集められた金を盗み、息子のもとから姿を消した。
持ち逃げされた20万元(約340万円)はハオヤンちゃんの父シャオフェイさんが、治療費のためにと農業や建築業の仕事を必死でしながら借金するなどしてなんとか工面した資金だった。シャオフェイさんは妻に「盗んだ金を返さないのなら警察に通報する」と脅すと、お金を返しに帰って来たものの妻はまた出て行き、それ以降戻ってくることはなかった。
ハオヤンちゃんの最初の腫瘍摘出手術は成功したが、残念ながら再発してしまった。ハオヤンちゃんの肝臓はすでに3分の2が切除され、複数回の化学療法を受けながら点滴や流動食を施される日々を過ごしている。現在は北京にある小児病院「Bayi Children’s Hospital」に入院しているがその治療費は高額で、自分の稼ぎだけでは追いつかないシャオフェイさんの闇金融などからの借金は100万元(約1700万円)にも上るという。なお同病院の医師から、ハオヤンちゃんには肝臓移植が必要だと伝えられたそうだ。