ニューヨーク・マンハッタンの混雑する地下鉄ホームに、ちょこんと置かれたままのベビーカー。そこには哺乳瓶を自分の手で持ち、ミルクを飲む赤ちゃんが乗っていた。母親は乗っていた列車の扉が開くと、わが子をベビーカーごとホームに置き去りにしたのであった。
生後10か月の赤ちゃんが乗っているベビーカーを、なぜ地下鉄のホームなどに置き去りにすることができるのであろう。人にぶつかっているうちに良くて転倒、最悪の場合は線路に落下していたであろうそのあまりの危険な状況に、全米の人々が震撼している。
『NYポスト』紙ほか複数のメディアが伝えているところによれば、その置き去り事件はマンハッタンでも複数の路線が乗り入れる大きな駅である「コロンバス・サークル駅(59 Street-Columbus Circle)で、7日正午に発生。その深夜にはセントラルパーク近くで、赤ちゃんの母親である20歳のフランキア・ダブスという女が逮捕された。2人は1号線に乗っていたが、電車がその駅に到着すると下車。扉が閉まる寸前にダブスのみが車内に戻り、赤ちゃんはベビーカーごとホームに置き去りにされたのであった。
ダブスの出身はノースカロライナ州。ニューヨークには先月に来たばかりで、ニューヨーク市警の広報担当スティーヴン・デイヴィス氏によれば、ダブスは取り調べに対して「赤ちゃんの父親が最近カリフォルニア州で死亡し、経済的、精神的に自分独りでの子育ては困難だと感じた。地下鉄の駅を選んだのは、わが子が最も安全でいられる場所だと思ったから」と話しているという。
また赤ちゃんを乗せたベビーカーには1人の女性が善意で付き添っていた。母親が用事を済ませたら戻ってくると信じていたが、20分経っても戻ってこないことを不審に思い、警察に連絡したという。赤ちゃんは健康状態を調べるために「ルーズベルト病院」に運ばれたが、外傷は発見されず、現在は児童保護当局により安全な施設に保護されている。
※ 画像はnypost.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)