教会で出会っただけの知り合い程度だった2人。しかし「腎臓移植」をきっかけに2人の仲は急速に深まり、今では互いに家族の一員とまで感じるようになったという。『Inside Edition』『ABC News』が伝えた。
米テネシー州メンフィスに住む中学教師でシングルマザーのエリカ・ウォーカーさん(36歳)は2型糖尿病を抱えており、困難とされていた妊娠時にも合併症など複雑な問題を乗り越えなければならなかった。
高血圧やタンパク尿などを伴う子癇前症(しかんぜんしょう)が重症化し片方の視力を失ったエリカさんは、緊急帝王切開により予定日より8週間早く娘のカーリーちゃん(現在2歳)を出産した。その後の体調は安定していたように見えたがある日、医師からステージ4の慢性腎臓病であり移植が必要であることを伝えられ愕然とした。
「死が間近に迫っているような感じがしました。もしドナーが見つからなければ、娘の成長を見ることも叶わないのだと知りました。」
エリカさんは自身の病のことを教会で語り、助けを求めた。そんな彼女の悲しい胸のうちを知ったジェニー・ウィリアムズさん(37歳)は、ほんの2か月前に知り合ったエリカさんに心を寄せ、ドナーになることを決意したという。その時の心境をこのように語っている。
「誰かを助ける機会が神に与えられたのだとしたら、迷わずその機会を掴むべきだと思いました。幼いカーリーちゃんの今後のことを思うと耐えられず、私にできることがあればしてあげたいと思ったのです。」
8歳~16歳の5人の子の母であるジェニーさんは、エリカさんのために6か月近くかけて適合検査を受け続けた。しかし万が一、適合しなかった時のことを考えてエリカさんをがっかりさせてはいけないと最後まで秘密にしていた。そして検査の結果、移植可能と知ったジェニーさんはFacebookで「私があなたのドナーになれるわよ」とメッセージを送り、エリカさんを驚かせた。
「その知らせを貰って、泣きました。何か月もドナーが現れるのを待っていたなかで、もうダメだと諦めつつもポジティブに生きようと必死でした。でもジェニーさんが私に希望を与えてくれたのです。」