日本テレビ系の情報バラエティ番組『幸せ!ボンビーガール』の激安リフォームコーナーなどでDIYの特技を発揮する森泉。現在、都心の空き家を自腹で購入、リフォームして住むという「泉お嬢様の空き家再生大臣!」という企画を展開中だ。4000万円とも言われる空き家を公言通り自腹で購入、「ガチで自分のおうちを作り直す」など、森泉の行動力と実現力には毎度驚かされるばかりだ。しかしここにきて、ある宅地建物取引士がこの物件のリニューアルを進めるにあたり、「建築基準法に抵触しない作業の範疇ですむかどうか疑問」と警鐘を鳴らしている。
8月1日に放送された同コーナーは不動産屋と契約完了して空き家のカギを手に(4,200万円のところ)「4,000万円にしてくれた!」とはしゃぐ森泉の笑顔が印象的であった。新築で購入すれば“1億円”は下らないというお得なお買い物に対して、最初の疑問が投げかけられている。
今回検証を行い、警鐘を鳴らしているのは宅地建物取引士・早坂龍太氏である。同氏がコラム(『不動産流通システム・REDS』へ寄稿)で訴えているのはおおむね以下のような点だ。番組内でも「再建築できない物件」と紹介されていたが、森が購入したこの空き家は一般に言われる“再建築不可物件”であるという。「再建築不可物件」とは建物が老朽化や天災などで壊れても新たに建設できず、さらに2階建てを3階建てにするような大規模な改造は基本的に許されていない。
そのため利用価値として評価が低くなり、価格が相場の半分以下となることも多いという。つまり「価格は相場の半分以下になることも多いので、4000万円がお得といえるかどうか…」と早坂氏は懐疑的に見ているのだ。
さらに早坂氏はこの物件が建築基準法43条の「敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務を満たしていないため、“再建築不可物件”とされているのではないかと推測している。消防車が入れないような場所に建物が密集するのは防災上好ましくないことから“再建築不可物件”として新しく建てることを制限しているもので、「番組を企画するにあたり、増築や大規模修繕は基本的に認められないということを理解して購入したのか?」と早坂氏は疑問を投げかけている。