自らのお産を直前に控えた産婦人科医が、陣痛中にもかかわらず患者の分娩に立ち会い、無事に赤ちゃんを取り上げた。医師としてのプロフェッショナリズムを見せた後、自身も元気な女の子を出産したという。『NBC News』『LEX18.com』『New York’s PIX11』など複数のメディアが伝えている。
米ケンタッキー州フランクフォートのフランクフォート地域メディカルセンターで7月23日、時を置かずして元気な2組の女児が誕生した。
リー・ハリデイ=ジョンソンさんは4人目となる赤ちゃんを出産しようとしていた。陣痛の痛みが激しくなる中、担当の産科医はちょうど席を外しており、すぐ病院に向かうように頼んだもののお腹の赤ちゃんが苦しみだして、一刻を争う状況になってしまった。
別の分娩室で陣痛誘発剤を投与され横になっていたアマンダ・ヘス医師はその時、他の患者同様に病院のガウン姿で足元はビーチサンダルという姿だった。しかしリーさんのことを聞くと、すぐにもう1枚のガウンを羽織って背中を隠し、ビーチサンダルの上からブーツを履いてリーさんのいる分娩室へと向かった。
実はリーさん、妊娠中にヘス医師が務めるクリニック「Women’s Care of the Blue Grass」で検査をしてもらったことがあり、過去に3~4回ほどヘス医師に会っていた。リーさんはその時から「すごくいい先生だな」という印象を抱いていたという。
ガウン姿で分娩室へ駆けつけたヘス医師を見てリーさんの夫は驚いたそうだが、リーさんは自分の出産のことで頭がいっぱいでヘス医師も出産直前であるとは全く気付かなかった。一方でリーさんのお産を手伝う覚悟をしたヘス医師は、陣痛中にもかかわらず完璧に医師として振る舞っていたという。そして無事にリーさんの赤ちゃんを取り上げた。
その数分後、ヘス医師に激しい陣痛が起こり出産を迎えた。元気に産まれた次女エレン=ジョイスちゃんを抱いたヘス医師の写真を、友人のハラ・サブリー医師が自身のFacebookに投稿しこのように綴っている。
「子供たち2人が大きくなった時、この話を聞くと絶対に面白がるわ。アマンダ、よくやったわ。お疲れ様。しばしの産休を楽しんでね。」