幼い頃から養護施設を転々としてきた子供たちにとって、「家族ができる」ということは何よりの喜びに違いない。このほど米ペンシルベニア州に暮らす里親夫婦が、2人の姉弟を家族として迎えるため正式に養子縁組しそのサプライズを子供たちにとって最高の方法で行った。『Today』や『CBS News』など複数の米メディアが伝えている。
ペンシルベニア州ポートランドに暮らすトム・ギルモアさんと妻のコートニーさんは、結婚してわずか1か月後に里親になろうと決心した。3年間で13人の子供たちの世話をしてきたが、そのほとんどは幼く短期間の親代わりという意識が夫婦にはあった。ところがジャニエルちゃん(12歳)とイライジャ君(10歳)姉弟を引き取った時、これまでとは異なる気持ちになったという。
「いつもきょうだいを引き離すのはかわいそうだから2人一緒に引き取って面倒を見ていたんです。複数の里親のもとを行ったり来たりしてきたジャニエルとイライジャとは、会ってすぐに養子にしたいと思えるほど私たち夫婦と息がぴったり合いました」とコートニーさんは話す。
夫妻は早速、裁判所に手続きを進めたが養子縁組には思いのほか時間がかかり、姉弟がやってきてから3年もその日を心待ちにしていた。そしてついに、正式な養子縁組が5月24日に成立することを知った。
今年4月、「家族になる」ことのお祝いを兼ねてコートニーさんとトムさんは子供たち2人を連れてフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートへ旅行に連れて行った。旅行の3日前に嬉しい知らせを受け取った夫妻は、すぐに子供たちに打ち明けたい気持ちをこらえて、ディズニー・ワールドでこのニュースを伝えようと決めていた。そして到着するとスタッフから「何をお祝いしますか?」と“セレブレーション・バッジ”を渡されたコートニーさんは、「子供たちを養子にすること」とそこに書き込んだ。
そしてそのバッジの写真をウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのツイッターアカントに投稿すると、しばらくして代表者から連絡を受けた。「そういうことならば、特別なアレンジをしましょう」と言われ、急きょサプライズが行われることになった。
ミッキーマウスと記念撮影し、サインをもらうだけだと思っていたジャニエルちゃんとイライジャ君は、マジック・キングダム内の一室へと案内された。記念撮影の後、ミッキーマウスから養子縁組の公式日を知らされると2人は驚き、ジャニエルちゃんは口を押さえて涙を流した。