「親父、いつか俺にギター買ってくれよな」―度々そう口にし長年ギターを手に入れたいと願っていた息子を残して、父は突然この世を去った。しかし父は、息子の16歳の誕生日のプレゼントにと生前にギターを購入していた。このほど思わぬサプライズを受けた息子がギターを目の前に涙したことが『CBS News』や『Fox 5 NY』など複数メディアで報じられた。
米ミシガン州に住むジョニー・クロウさんの父ジョンさんは、4月1日に心不全でこの世を去った。まだ49歳という若さだった。父の死去からおよそ2か月経った6月7日は、ジョニーさんの誕生日だった。この日、ジョニーさんは姉のチャンドラーさん(20歳)に連れられて車でポート・ヒューロン・ミュージックセンターへ向かった。
チャンドラーさんのFacebookアカウントにはその時の様子が写真と動画で収められている。目隠しをしたまま姉の車に乗るジョニーさんは、これから何が起こるのか想像もつかないようだ。チャンドラーさんはアカウントにこう綴っている。
「今日は弟の16歳の誕生日。父がいない初めての誕生日になったけど、父はいつも私たちにサプライズをしてくれる人だった。1か月前に私が弟をギターのレッスンに送って行った時、インストラクターに『見せたいものがある』と言われたの。それを見た時私はとても驚いたけど、弟の誕生日まで秘密にしてきたわ。そして今日、弟を学校まで迎えに行って目隠しをしてミュージックセンターに連れて来たの。ミュージックセンターのみなさん、父の願いを叶えてくれてありがとう。誕生日おめでとう、ジョニー。パパはきっとあなたを誇りに思っているわ。」
ミュージックセンターの経営者ピート・クルーズさんによると今年1月、ジョンさんは息子の16歳の誕生日のプレゼントにエレキギターを購入したそうだ。チャンドラーさんはミュージックセンターで動画を撮影しながら、父からのバースデーカードをジョニーさんに渡し、「ジョニー、16歳になったあなたにバースデーサプライズがあるのよ」と伝えた。
そしてスタッフらが長方形のケースをジョニーさんに差し出し中を見せると、ジョニーさんは言葉を発することなく一瞬固まったように動かなくなった。「ジョニー、パパは亡くなる前にこのギターをあなたの誕生日にと買っておいたのよ」とチャンドラーさんが告げると、ギターを見つめるジョニーさんは目から涙が溢れ出た。