英政府のサイト『GOV.UK』によると、現在の最低賃金は25歳以上であれば1時間あたり7.5ポンド(約1,060円)とある。だが職種により異なるもので、たとえばナニーの場合は要資格者の中でもさほど高給取りとはいえない。ところがこのほど、チャイルドケアの専門サイト『childcare.co.uk』のナニー募集広告に破格の給料を提示してきた家族がいた。英『Metro』などが伝えている。
英スコットランドのスコティッシュ・ボーダーズにある小さな村に暮らす40代前後の夫婦は、5歳と7歳になる子供がいる。この家族が『childcare.co.uk』に住み込みのナニーを求めて募集広告を出した。
夫婦は2人とも専門職に従事しており、日々多忙で家を空けることも多いという。そのためナニーとなる人物は、週に4日住み込みで子供2人の朝食の支度や学校へ行く準備、そして学校の送り迎え、宿題の手伝い、寝かしつけなどほぼ全て1人で担うことになる。
家族の邸宅は、美しい景色に囲まれた歴史が感じられる広い一軒家だ。ナニーにはプライベートキッチンと浴室がついた部屋を提供され、通常のナニーの年収の2倍を遥かに上回る50,000ポンド(約700万円)が約束される。賃金の面からみると申し分ないといえよう。ところがこの破格の求人には、ちょっとした理由があった。
サイトに綴られた説明によると、夫婦は10年ほど前にこの家を購入した。しかしその時に「この家には心霊現象が起こる」と伝えられたそうだ。それでも夫婦は気にせず移り住み、家族4人はこれまで一度もオカルト体験をしていない。
ところが、この1年で5人のナニーが辞めてしまった。理由はいずれも「心霊現象を感じた」からだという。グラスが割れる音や家具が動く音などを聞いたナニーらは怖くなり、この家に来ては辞め…の繰り返しになっているそうだ。夫婦は「私たちが留守の時に限ってその現象が起こるみたいです」と明かしているが、夫婦にとってナニーは欠かせない存在であり「優秀な人に長期で来てもらえるのであれば、レートより高い給料を渡すことは惜しまない。28日間のホリデー休暇も約束します。興味のある方は是非ご連絡ください」と呼びかけている。