母親の愛に恵まれずに育った娘は、唯一の親である父親が自分から去ってしまうように感じてしまったのか。父の婚約者との再婚を認めたくなかった娘は、こともあろうに性的関係を結ぶことで父の心変わりを願った。このほどその裁判が行われたことが『South China Morning Post』など複数メディアで伝えられた。
香港で2009年、漢方医である父親(58歳)に婚約者との再婚を心変わりさせようと、当時19歳だった娘が2度にわたり父と性的関係を持った。その事件の裁判が5月29日に行われた。
娘は父親を誘惑し性行為に及んだが、2015年8月に学生の弟が姉と父親の関係が録画されたビデオを発見し警察へ通報した。その2か月後に両者は逮捕されたという。
このたび区域法院(地域裁判所)で行われた公判で、娘の弁護人は「今回のケースは非常に珍しいものです。彼女は父親の心変わりを願って性交渉を持ちかけました。見当違いの愛や父親への執着心、また献身的な愛がそのような形で表れてしまったものと思われます」と述べている。
また娘は検察官に「悪いのは私です。全ての責任は私にあるので、どうか父を罰することをしないでほしい」と訴えようとしていたことも明らかになった。
弁護人は「被告に必要なのは精神面の助けであり、刑罰を下すことが社会にとって有益になるとは思いません。また再犯の可能性は低いと考えられます」と語り、娘のみならず父親も罪を認めているが、ティモシー・キャスウェル判事は保護観察官に娘の心理状態に関する報告を求めたうえで「懲役刑を免れる可能性は大いにあるが、父親は娘と同様の判決にはなることはまずないであろう」と話している。