貧しい子供らがファストフード店に立ち入る姿を頻繁に見かけるトルコでは、善意や親切な行為とは真逆に酷い暴行を働く店もあるようだ。このほど1人の男児が、イスタンブールのマクドナルドで女性従業員から虐待を受けたことが英紙『Metro』や『Daily Sabah』で伝えられた。
5月9日、イスタンブールのニシャンタシュにあるマクドナルドの2階で客と従業員が口論になった。というのも、女性従業員が1人の男児の首に「客の邪魔をしている」とコップに入った熱湯を浴びせかけたのだ。
従業員の行為に驚いた男性客は、男児の首にみみず腫れができたのを見てすぐに助けに走った。店内にいた他の客からの通報によって駆け付けた警察は、男児を一旦最寄りの警察署へ連れて行き、その後やけどの治療のため一緒に病院へ向かった。
男児を虐待した女性従業員と、それを止めに入ろうとした男性客も警察署で事情聴取が行われたが、女性従業員は「その子が客の邪魔をしていたのを止めさせようとしただけ。故意に熱湯を浴びせたのではない」と主張している。
警察の調べで、男児はポラット・カラという名前のトルコ市民であることが判明した。ポラット君の両親はいわゆるホームレスで、がらくたを集めて生計を立てていることもわかった。この日、両親がポラット君にマクドナルドへボトルに入った水を買いに行くように言ったことから、思わぬ虐待行為を受ける羽目になってしまった。
しかしポラット君の両親は熱湯を浴びせるという非道な行為を働いた女性従業員を告訴しなかったために、この女性従業員は翌日の事情聴取後に釈放されている。店側はメディアに対してコメントを控えていたが、後に事実を認め女性従業員を解雇したと伝えている。