クマの嗅覚はイヌの数倍とも言われる。今月8日、米コネチカット州エイボンの森の中の一軒家に1頭のクマが現れた。この家では甘いチョコレート菓子であるブラウニーを焼いており、クマはこの匂いにつられてやってきたようだ。『thedodo.com』など複数のメディアが伝えている。
「ドンドンドン…」
家でブラウニーを焼いていた女性は、キッチンの戸口から大きな音がするのに気が付いた。ハッとして振り向くと、そこに立っていたのは1頭の大きなクマ。ガラス張りの戸に顔をピタリとくっつけて中をうかがっていた。
その目は「匂いだけじゃなく、僕にも食べさせて…」と言わんばかりだ。女性は怖くなり、向かいに住むボブ・ベルフィオーレさんに助けを求めた。女性の家にやってきたボブさんはすぐ警察に通報したが、クマはなかなかその場を立ち去ろうとしない。
ボブさんはその時の様子をこう語っている。
「クマはなんとか中に入ろうと、ベランダの手すりの上に乗って立ち上がりました。写真では可愛く見えるかもしれませんが、クマはかなり怒っているようでした。」
「その後、クマは虫よけ用に設置されているメッシュのドアを開けることに成功しました。でもスライド式のガラス戸を開けることは出来ず、ベランダ奥のもう1つのドアに向かいました。しかしそのドアも開かず、最後は居間側に設置されている3つ目のドアへと移動したのです。30分ほどだったでしょうか。かなり粘っていましたよ。私が大きな音を立てても、叫んでも、全然動じる様子はなかったですね。」
クマは警察が到着する前に、ブラウニーを諦めてその場を去っていったという。