この日の朝、テキサス州グレイプバインに住むジェニファー・ウィリアムソンさんと息子のアーロン君は、空港のセキュリティチェックでとても不快な思いをさせられた。アーロン君は見た目ではわかりにくく、理解が困難とされる症状の一つである「感覚処理障害(SPD)」という自閉症スペクトラムを抱えている。ちょっとした刺激に対しても過敏に反応し不安や恐怖を抱いてしまうために、ジェニファーさんはセキュリティーチェック時にTSA(運輸保安庁)職員へアーロン君の症状を伝え「息子は触られることを嫌がるのでできれば他の方法でチェックしてほしい」とお願いした。
しかしそうした依頼を一つ一つ聞いていてはセキュリティを任されている空港職員にとっては仕事にならないのだろう、母親の願いを聞き入れず職員はアーロン君のボディチェックを始めた。
その検査を録画していたジェニファーさんは不快感でいっぱいになった。TSA職員はセキュリティの警告音が鳴っていないアーロン君の体を不必要に触り続けた。またダラス・フォートワース警察官2人も両脇に立ち、それを監視していた。ジェニファーさんが録画した動画は2分足らずのものだが、この親子は45分間検査のために空港に足止めされており、結局は乗る予定だった便を逃してしまったという。
アーロン君は自分がしつこく検査されたことを気にして「僕、何かした?」と数時間ジェニファーさんに聞いていたそうだ。「息子は今回のことがすっかりトラウマになってしまいました。こんな風に子供たちに対応するのは間違っているのではないでしょうか」とジェニファーさんはFacebookに綴っている。
「行き過ぎ」と思われる不必要なボディチェックを子供に繰り返したTSA職員に怒りを感じたジェニファーさんは、動画のシェアを呼び掛けた。すると閲覧数は753万回、シェアは10万超えとなった。コメント数は7万近くにも上っており、様々な意見が寄せられた。
「警告音も鳴っていない子供になぜそこまで触るの。痴漢行為みたい。」
「これはどう見てもこの職員、やり過ぎでしょ。」
「最低。この職員、変態じみてるよ。」
「平気な顔で性的虐待をされるってことが障がい者には起こり得るんだよね。」
「息子さん、よく我慢したね、偉いわ。」
「空港の職員としていうけど、彼らは安全をチェックしてるだけ。変態呼ばわりするのは間違ってる。」
「子供だろうと障がい者だろうとセキュリティチェックは必要だろ。僕の子供たちも何度も同じ目に遭ったよ。」
これに対して、ジェニファーさんは「TSA職員はまるで私たちを犬のように扱いました」と怒りを露わにしている。
過去にも、盗難や障がい者への暴行などの不祥事が取り沙汰され評価の低いTSA職員だが、今回の件でもTSAスポークスマンは「この職員は、搭乗者のラップトップをチェックしていて警告音がなったので、その場にいた上司の指示を受け規定に従ってボディチェックをしたまでです」と話している。
出典:https://www.facebook.com/jendemirecs
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)