FBI、CIA、軍ほか、連邦政府が管轄する20を超す機関がスムーズに連携するようにとの思いをこめ、2002年に立ち上げられた「米国土安全保障省」。この組織の職員が大変な数の重要アイテムを紛失させていたことが発覚し、悪用が懸念されることからワシントンD.C.は大変騒がしくなっているもようだ。
多数の米メディアが速報で伝えているところによれば、米国土安全保障省(United States Department of Homeland Security 以下DHS)の職員において2012年から2015年までの31か月間にわたり紛失が確認されたのは、1,300以上の身分証明用バッジ、165丁の銃、そして589台の携帯電話。バッジをはじめアイテムのほとんどは税関・国境警備局の職員による紛失だといい、ほかには移民税関捜査局、米国市民権・移民業務局、空港のセキュリティチェックで知られる運輸保安庁(TSA)の名が挙がっている。
この件について、専門家は異口同音に「犯罪行為の手助けとなるそうしたアイテムが悪用されれば、我が国のセキュリティは脅威にさらされ、どれほどの被害をこうむるものか想像もつかない」と話している。TSA職員に関しては、かねてから採用時にもっと慎重なスクリーニングを行い質の高い人材を確保せよとの指摘があり、市民からはテロリストの入国を防ぐべき国境警備局やTSAへの不信感と批判が相次いでいるもようだ。
DHSはその発足の趣旨に則り、国防、警備、財務、司法から保健、エネルギー、農務にまで関与し、一般市民のプライバシーにもおおいに触れてくる。しかし人事の管理や採用は個々の機関が従来のやり方で行っているほか、大事件や災難時の現場では指揮系統の乱れや連絡不行き届きが露呈するばかりであった。
出典:http://www.foxnews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)