アメリカの空港で搭乗者の荷物などを厳しくチェックするTSA職員。ニューヨークの空港で、またしてもその職員による不面目な窃盗事件が発生したことを『nydailynews.com』が伝えている。
アメリカの空港で搭乗者が危険物を飛行機に持ち込まないよう、スーツケースや手荷物、衣類などを厳しく検査する立場にある運輸保安局(Transportation Security Administration 以下TSA)の職員たち。貴重品も多々持ち込まれる場所であるだけに、彼らに職務上のコンプライアンス意識や正しいモラルを期待しないわけにはいかない。しかし中には手癖の悪い人間がいるもの。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で先月26日午後3時ごろ、TSA職員のマーゴ・ローリー=グラントという女が、ある搭乗者のダイヤモンドがちりばめられた83万円相当の高級腕時計を盗んだとして逮捕された。
ローリー=グラントはターミナル7のセキュリティチェックを担当しており、当時は手荷物のX線検査や身体検査を行う保安検査場にいた。被害にあったのはBindoo Ahluwaliaさんという女性。彼女はプラスチックケースに貴重品などを入れてラインに乗せたが、その腕時計をピックアップし忘れて去り、ローリー=グラントはそれを握るとトイレに逃げ込んだという。しかし戻ると同僚たちがAhluwaliaさんの時計を探しており、彼女は再びその場を離れ「私が時計を壊してしまった」などと告げて退職願を出した。このことから警察の事情聴取を受け、同日夜に逮捕となった。裁判で有罪判決が下る場合、ローリー=グラントは最高で7年の懲役を言い渡される可能性があるそうだ。
9.11アメリカ同時多発テロ事件以来、空港におけるセキュリティチェックが厳しさを増した一方で、スーツケースの中から貴重品や高級デジタル製品が盗まれる事件が急増している。複数の人の視線が注がれない場所でスーツケースを開錠し、中身の検査にあたっているTSA職員の仕業であろうと考える者が多いことを受け、『ABC News』は3年ほど前にiPadを対象とした独自の“おとり捜査”を決行。GPS追跡機能を駆使した結果、TSAの職員がまんまと逮捕されて大きな波紋を呼んでいた。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)