エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】<田中麗奈インタビュー>『真昼の悪魔』葉子役に夫が驚愕、父からは「怖かばい」

田中麗奈演じる大河内葉子は、患者への接し方も丁寧で医師としての腕も確かだが、裏では患者の死期を早めたり、新薬の人体実験をするなどの行為を繰り返す。ほかにも彼女の過激で恐ろしい悪魔的な行為は、小さな子どもや愛する父親、婚約者にも容赦なく実行される。しかも罪悪感をまったく持たず、ためらうこともないのだ。

■葉子の悪魔的心理に興味が沸いた
―これほどの悪女を演じることについて、最初に話を聞いたときはどう思われましたか?
田中麗奈(以下、田中):悪女というよりも、彼女の根本的なところに悪魔が潜んでいるというのがテーマにもなっているので、悪女を演じるというよりは、「悪魔のような女」ですね。言ってみれば殺人鬼なんですけど、人が苦しむ顔を見たくなってしまう、そうせざるを得ない、そうしないと生きている実感が沸かない―という彼女の悪魔的心理に興味を持ちました。

―「悪魔のような女性」を演じることに抵抗はありませんでしたか?
田中:どうですかね。役者をしていると抵抗ってあるんですかね(笑)。演じることが好きで、それを職業にしているので、抵抗は一切なかったです。

■葉子を一番理解した人でありたい
―葉子という人物は、理解するのが難しいと思いますが、共感できる部分はありますか?
田中:今回の役をやるにあたって、殺人鬼や特殊な人格を持つ人たちのことについて調べたりはしました。映画、本、資料など葉子がリアルだともっと怖いと思うので、参考にさせてもらったところもあります。自分は一番彼女を理解した人物でありたいですし、彼女の心理は台本を読んで考えられるだけ考えたいし、想像したいし、しっかり掘り下げていきたいと思いましたね。葉子の矛盾を抱えて生きているところや、実はすごくピュアな部分や真面目な部分もあったり、人間的な部分も持っているので、そこは皆さんにも共感してもらえるのではないかなと思います。

―悪魔的な葉子ですが、惹かれる人もいます。葉子の魅力は何でしょうか?
田中:よく言われるのは「気持ちがいい」ですね。「あそこまで潔く“悪”に邁進されると気持ちいいよね。応援したくなっちゃう」と言う人もいました。葉子にはちょっとブラックジョークや茶目っ気があるところもありますよね。彼女は仕事もちゃんとして、患者さんにも笑顔で接し、まずは社会に適合しているように生活しています。頭が良いので、この人が何をするのか目が離せないというのもあるかもしれないですね。

葉子について熱く語る田中麗奈

■全部過激。極め付けはセルフ手術
―一番過激なのはどのシーンでしょうか?
田中:それぞれ本当にすごいなあと思いますね。全部過激ですね。電気ショックも自分的には過激だなと思いました。本当に人を痛めつけるためだけに電気ショックをして、おびえた顔を見て面白がるというのも過激ですね。でも(自身の病気を治療するため)自分で自分の(開腹)手術をするのは極め付けですかね。セルフ手術って…。台本を読んでいるだけで痩せそうでした。それだけ彼女は、自分の体の中を他人には絶対に触らせたくないんですよね。

■セルフ手術には医師の夫も「え!?」
―セルフ手術について、医師であるご主人は何かおっしゃっていましたか?
田中:「え!?」って言ってましたね。一応、やはり(参考に)聞こうと思って、「自分で自分の手術をするんだけど」と言ったら、「え!? どこで?」って。「家で。自分の家で」「え!? 助手は誰がするの?」「(婚約者の)大塚さんで」「大塚さんはできないでしょ。看護師じゃないんだから」「いや、だから事前にレクチャーして」って言えば言うほど私が変な人みたいになっていくんですよ(笑)。言えば言うほど本当に変なドラマだなと思って。(夫は)「自分で自分のお腹を切るって、切腹するみたいなものでしょ?」って、それはびっくりしていましたね。

■父からLINEで「怖かばい」
―葉子を演じて、周りの人の反響はいかがですか?
田中:「完全に普段と違うから(普段の田中は)忘れて観ちゃう」「葉子先生、怖い、怖い。怖すぎて笑っちゃう」って言ってました。初めて会った方には「どう接していいか分からない」とも言われますね(笑)。父は先週のドラマ放送終了後にLINEが来て「怖かばい」って(笑)。

■葉子の生き様が自分に刻まれた
―田中さんご自身が本作を通して得たものはありますか?
田中:(少し考えてから)葉子の生き様を自分に刻んできたなという感じがあって、すごく激しく濃く、ひとつの大きな人生経験になった気がしますね。彼女はピュアな自分もいるんだけど、どうしても悪の自分を抑えきれない、やってしまう、それが喜びになってしまう、そんな自分になんでだろうと虚しさを感じたり…、彼女の考えていること、悩んだこと、ワクワクしたこと、一緒に自分も考えてきたし、悩んできたし、体験してきたから、もうサーッと(自分自身に)刻まれたなという感じですね。

■最終回には坂上忍も出演
―いよいよ最終回が25日(土曜・夜11時40分から)に迫っています。「葉子ロス」という言葉もあるようですが、見どころを教えてください。
田中:「葉子ロスになりそう」って観てくださっている方から言われますね。(最終回は前回から)3年後なんですよね。大塚さんとの間に子どもが生まれています。前回の最後の涙が3年後にどう反映しているのか、葉子と関わった病院の人たち、難波さんや芳賀さん、それから神父様もどうなったのか見届けていただきたいですね。難波さんは3年後でも葉子を追ってきます。

―最終回には坂上忍さんが出演されるそうですが、印象はいかがでしたか。
田中:坂上さんとは初共演でしたが、すごくすんなりと作品に入られた印象ですね。葉子がかつて「悪」を教えた女の子の父親の役です。その子が葉子の影響で問題を起こしているんです。(坂上演じる父親が)「うちの子をこんな風にしたのはあなたですよね?」って。その子は「葉子先生かっこいい」って思っているので。

■プライベートでは料理教室へ
―ところで、今、何をするのが楽しいですか?
田中:今、本当に時間ができたばかりなので、特別なことはしていないんですけど、お料理が好きなので中華料理のお教室に友人と行ったりしましたね。友人とごはんを食べてお酒を飲むのも楽しいですね。お芝居や歌舞伎や映画も観に行きたいですね。

(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

「葉子」が自分に刻まれたという田中麗奈

1 2