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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】主治医がヒラリー・クリントン氏の最新検査結果を公表 「大統領の座に就くにふさわしい非常に健康な心身」

米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン氏がここにきてひどい体調不良に見舞われている件で、同氏は医療機関で血液検査や画像診断はもちろん甲状腺機能までありとあらゆる検査を受けていたもよう。その最新の検査結果が医療機関より書面で公開された。

肺炎、脱水症状などさまざまな理由から体調を悪化させていたというヒラリー・クリントン氏(68)。大統領選を控えたこの大事な時に健康不安が露呈してしまったが、一方では60代になってからも激務をこなしていた体力はただものではないといった称賛の声もあがっていた。具体的に今のクリントン氏の健康状態はどうなのか。主治医である「CareMount Medical」内科のリサ・バーダック博士が、最新の検査結果を書面にまとめてpdf形式によりオンラインで公開した。日付は2016年9月14日、患者名には“Hillary Rodham Clinton(ヒラリー・ローダム・クリントン)”と本名が用いられ、2015年7月の検査時と比較した感想も添えられた。要点を抜粋してご紹介したい。

■2016年1月、副鼻腔炎由来の耳の感染症を発症。抗生物質、副腎皮質ホルモン剤で治療した。しかし数週間にわたり左耳の痛みを訴え、耳鼻咽喉科で鼓膜切開による治療が行われた。3月にフォローアップとして脳および副鼻腔についてCTスキャンを実施。いずれも異常は認められなかった。

■2016年9月2日の突然の体調不良に関して熱は37.4度、バイタルサインは正常であった。季節性アレルギーに伴う上気道感染症に対して抗生物質や抗ヒスタミン薬による短期の治療が行われ、安静が必要と告げていた。しかし遊説に出た数日間でぶり返したのか咳がひどくなっていた。2015年の検査結果に比べるとアレルギーを引き起こすアレルゲンが増えている。ただし専門医による処方薬でうまくコントロールすることが可能である。

■2016年9月9日には冠動脈カルシウムスコアの検査も兼ねて非造影胸部CTスキャンを行った。心臓病の家族歴があるため2010年からはそのリスクを頭に入れた検査も行っており、そこで右肺中葉に肺炎の影を認め、非伝染性の軽い細菌性肺炎と判断された。抗生物質での治療とともに安静を言い渡した。冠動脈カルシウムスコアに関しては「ゼロ」であった。

■9月11日にはまた発熱してめまいでよろけるなどしたが、脱水症状を起こしていることからその治療を受けて回復。10日分のキノロン抗生物質「Levaquin」、抗ヒスタミン薬の「Clarinex」、「ビタミンB12」が処方され、自宅での安静と数日間の休養を勧めた。

■全血球(CBC)検査、脂質代謝、空腹時血糖、ヘモグロビンA1c、ビタミンD、ビタミンB12などすべて正常。総コレステロール:189 LDL:103 HDL:56 中性脂肪:159 血圧:100/70 熱:36.5度 心拍数:70 1分あたりの呼吸回数:18 パルスオキシメーターによる血中酸素濃度は99%。

■(過去に脳血栓が見つかったことから)抗凝固剤「クマディン(ワーファリン)」の投与を受けており、必要に応じて投与量の調節が行われるなど血液凝固検査の値は比較的安定している。

■甲状腺機能低下症(T3低下)が認められるため、長年にわたり「Armour thyroid(T3も含まれる乾燥甲状腺剤)」を服用。そのため甲状腺ホルモン値は正常範囲にある。

■最新のワクチン情報に基づき、2つの肺炎球菌ワクチン(プレブナー、ニューモバックス)ほか打つべき予防接種はすべて完了している。

■乳房についてのマンモグラフィーと超音波検査、定期的な歯科受診も行っている。

以上、抜粋でお伝えしてみた。

「今年になってからは副鼻腔、耳の感染症、肺炎などを起こしてはいるものの、基本的には大統領の座に就くにふさわしい非常に健康な心身」とリサ・バーダック博士は太鼓判を押す。ただしこのたびの体調不良を乗り越えるには薬の服用を守り、水分・電解質の補給と安静、遊説の中止などが条件となるようだ。

出典:https://m.hrc.onl/secretary/10-documents/05-physician-letter/HRC_physician_letter.pdf
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)