妻子の殺害に続く自殺。そう表現されるものの、日本でいう「無理心中」に相当する事件はアメリカでも間違いなく多発している。このたびの事件はジョージア州から伝えられた。
『News4Jax.com』などが伝えたところによれば、事件が起きたのはジョージア州グリン郡ブランズウィックのダリエン・ハイウェイに立つファミリー向けアパート「ウェストミンスター・クラブ・アパートメンツ」の一室。21日午前2時ごろ、銃の発砲音に続き、6歳少女の泣き叫ぶ声がアパート中に轟いたという。
顔から血を流しながらも玄関から外に出て、激しく泣き叫んで助けを求めたのはその家に暮らす6歳のエヴァ・ディアスちゃん。「サヴァンナ記念病院」にヘリで空輸となり、重傷を負った頭部の治療が続けられている。その部屋からはエヴァちゃんの母エミコさん(21)の遺体も発見され、少女の証言を元に父親のへスース・ディアス(24)が妻子を撃った後に自分自身に銃口を向けたものと断定された。
夫に銃殺されたエミコさんについては、長年の友人クリスタル・モラレスさん、そして友人の母親だというリラ・ピネックさんはともに「いつもポジティブで明るく周囲の人たちをハッピーにさせてくれた。泣き顔なんて1度も見たこともない」と話しているほか、タマラ・クーリットさんは「エミコと知り合って4年です。2つの仕事を掛け持ちしながらもカレッジ・オブ・コースタル・ジョージアを優秀な成績で卒業するなど本当に頑張り屋でした」と涙を流している。
一方でへスースの評判も悪くない。フロリダ州にも近い沿岸の町セントシモンズ・アイランドの「The King and Prince Beach and Golf Resort」というリゾートホテルで客室清掃などを担当していたが、支配人のマイケル・ジョンソンさんは「彼は親しみやすい性格で誰ともすぐに仲良くなり、熱心な仕事ぶりとホスピタリティ精神で人々の信頼を得ていた」とその死を悼んでいる。
「エミコとへスースが夫婦喧嘩をする様子はまったくなかった。心身に深い傷を負ったエヴァちゃんの今後がとにかく心配」と異口同音に語る人々。グリン郡警察のマシュー・デーリング署長は「あれだけの負傷をしながら奇跡的です。まだ意識があったため簡単ながら言葉で説明してくれたのですから」とエヴァちゃんの勇気を大きく称えると同時に、家庭内暴力などで夫妻が警察の世話になったことは1度もないと説明。この事件と一家に関する情報提供の協力を市民に呼び掛けている。
出典:http://www.inquisitr.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)