自殺を図ろうとしている若い男性がいるとの情報に、「銃を下ろし、落ち着きなさい」と再三説得した警察官。緊迫したその状態が途切れたのは一発の銃声がきっかけであった。言うことを聞かないその若者を警察官が射殺したのだ。しかし事件はそれで解決ではなさそうだ。なぜならその若者は…。
テキサス州ウェブ郡のラレド市で発砲事件は9日、シャイロー・クロッシングにあるアパートで起きた。現場には血を流して倒れているシーザー・キューラーさんという25歳の男性。しかしシーザーさんの遺族は「警察はなかなか事件の全貌が明らかにせず、何かを隠しているかのように見えた」と強い憤りを示している。実はシーザーさんに発砲したのはラレド市警から駆けつけた女性の警察官であった。シーザーさんが自殺を図ろうとしているとの通報を受け、それを止めるよう説得したが、彼が感情を激高させたことから警察官の1人が発砲。しかし威嚇どころか命を奪ってしまい、その後に彼がウェブ郡の保安官代理であったことを知ったという。
ラレド市警のレイモンド・ガーナー署長は、シーザーさんの遺族や友人らに哀悼の意を表すとともに詳しい調査を実施すると約束したが、シーザーさんの母親は州メディア『KGNS‐TV』のインタビューに応じ、「女性警察官2名が揃って息子に銃口を向けたと聞いていますから、息子は何の抵抗もせず銃を下ろしたと思います。そんな中で正しい理由もなく息子は射殺されてしまいました。なぜそんなむごいことを…。すべての事実や証拠を明らかにし、彼女たちから拳銃と警官バッジを取り上げない限り、息子の無実や正義が晴れる気はしません」と怒りをあらわにしている。
米国の各郡において治安に当たるのが、選挙で選ばれることでも知られる郡保安官。通常は治安職員資格を取得した保安官代理を伴って行動しており、シーザーさんもウェブ郡保安官であるマーティン・キューラー氏に数週間前から雇われていた新米の保安官代理であった。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)