南アフリカ・ケープタウンにある海軍の軍需倉庫で大胆な盗難事件が発生した。国内最大レベルの重要軍事施設に易々と侵入し、武器弾薬がごっそり奪い去られたのは国辱だと多くの国民が憤っている。さらに、今回の事件を未然に防ぐことができなかった国側の事情は驚くべきほどお粗末なものであった。
ペンギンで有名なケープタウン・サイモンズタウンは同時に海軍の町でもある。港には、海軍船の壮大な景観を楽しめるツアースポットもある。一方で、その財政事情はシビアであり軍費用に至ってもかなりの緊縮を強いられている。今回の事件は、その痛いところをつかれた犯行であった。
事件が発生したのは7月23日。サイモンズタウンにある南アフリカ最大の軍需品倉庫に何者かが侵入し、6つの倉庫から軍の備品や銃、弾薬、手りゅう弾などを盗んでいった。南アフリカ防衛省は「様々な軍の備品が紛失した」ことを発表し、国民は国の要所にいとも簡単に強盗が入った事実に驚愕した。
国の名誉にかかわるこの事件に最優先犯罪捜査班、国事犯グループなどが動き出し、サイモンズタウンから車で20分ほど離れた場所で18歳と26歳の男性を逮捕した。家宅捜索では盗まれた軍の備品などが多数発見されている。
今回の事件では、多くの人が監視していたであろう軍の重要施設に大胆に入り込むことが可能なのかということに焦点があてられた。するとそこで驚く事実が判明した。地元紙によると南ア最大の軍需品倉庫5か所の警備を請け負っている会社との契約が、警備員給与未払いのため停止していたのだ。ブルームフォンテーンにある軍施設でも同様の武器の窃盗事件が発生したこともあり、国の財政状況がさらなる治安悪化を招くのではと多くの国民が危惧している。
出典:http://www.timeslive.co.za
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)