先進国の3%の子供が抱えていると言われるピーナッツアレルギー疾患。重篤な症状を持つ人の場合は、ピーナッツやその加工品を口に入れていなくても、触ったり臭いを嗅いだだけでアナフィラキシーショックを起こしてしまう場合があり、命に関わる。ピーナッツアレルギーは、本人だけでなく周りの理解も十分必要になるといえよう。このほど、そのアレルギーを持つ人にとって非常に厄介な問題がカナダのトロントで起こっていることを『CBC News』などが報じている。
トロント在住のクリスティーナ・ティボーさん(36)の3歳になる娘のエミリーちゃんもピーナッツアレルギーを患っている。ある日、市内にあるパース・スクエア公園にエミリーちゃんを連れて行ったところ、公園の遊具に大量のピーナッツバターが塗られていた。
ピーナッツを含む加工品であるピーナッツバターは、ピーナッツアレルギーを持つ人の命を危険にさらす可能性がある。
トロント警察によると、今月18日にトロント市内のワズワース公園という別の場所でもピーナッツバターが遊具に塗られているという事件が発生している。また、この事件が起こる前にも、市内の3つの公園で同様の事件が起きているとの報告が入っている。
いずれも警察に直接通報された形跡はなく、気付いた住民が公園の事務管理局に連絡している。管理局スタッフが公園内を見回りいち早く遊具に付着したピーナッツバターを拭きとっているために、警察側としては「誰かが塗ったという現場を目撃した人も、その証拠も我々が到着する前になくなってしまう。これではきちんとした捜査ができない」と話す。
また17日に、トロント市内のダッファリン・グローブ公園で2歳の息子ルイス君を遊ばせようとしていたサラ・ボルトンさんは、3瓶は使ったと思われるほどの量のピーナッツバターがあちこちに塗りつけられているのを発見した。「こんなことをするなんて異常者の仕業よ。信じられない。アレルギー疾患がある子供たちがどんな危険な目に遭うと思ってるの」と激しく憤る。
ピーナッツアレルギー疾患は、日本の「そばアレルギー」同様、重篤な症状を引き起こす可能性があることでも有名だ。もしこのような光景を目にした場合は、直ちに警察に連絡するようにと公園事務管理局は注意を促している。
出典:http://www.cbc.ca
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)