赤ちゃんに授乳するという行為は「食事を与える」ことであり、神聖かつ自然なことと理解している母親が多い。しかし、世の中の全ての人が同じ価値観を持っているわけではなく、公共の場で授乳する母親を性的な視線で捉えてしまう人もいるようだ。
先日、イギリスのある公園で授乳していた母親が、見知らぬ女性に他のところで授乳してほしいと言われ、不快に思った母親が母乳をその女性に噴射して反撃するという驚くべき出来事があった。
そしてアメリカでは、ある母親がFacebookで反撃に出た。フロリダ州セミノール在住である2児の母マリア・コリーさんは、授乳中の写真を投稿したところ「少なくとも5回の批判コメントを受け、写真をFacebookから削除せざるを得なかった」とし、それに対して「私の胸はほとんど見えていないのに、どうしてわざわざこの写真に注目していちいち批判するのかがわからない。授乳は自然な行為であるべき。性的に捉えるということ自体が間違っている。子供にとってママの胸は何のためにあるのか考えればわかることでしょう?」と綴った。
さらに彼女は、有名下着メーカーであるヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)モデルの写真で自身の胸を隠し授乳している姿を投稿。「ヴィクトリアズ・シークレットのポスターは、街中どこにでもあるわ。ショッピングモールに足を踏み入れても、すぐに目につく大きさよ。どんなに下着の女性が溢れていたって、誰も批判をしようとしないわ。モデルの世界では胸を見せることはOKなのに、授乳はNGなんて、授乳する女性を見下しているとしか思えない」というメッセージを添えたのだ。
この投稿に多くの母親が反響し「もっと授乳することが自然だってことを社会に知ってもらわないと」「公共の場であっても、私にとって授乳は自然の行為だからついそのまましてしまうけど、でも、隠さなきゃいけないんだなって毎回思わされるわ」「あなたのそういうアイデア、好き」といったマリアさんをサポートする声が、母親たちの授乳姿の写真とともに投稿されている。
公共の場での授乳は、確かにマナーも必要だ。しなしながら、母親にとってはあくまでも「お腹を空かせた子供に食事を与えている」という行為にしか過ぎない。性的な目で見てしまう人がいるのは残念なことだが、そういう人もいると母親も理解しておかなければならないのと同時に、また社会全体も授乳は自然の行為だということを十分理解する必要があるといえよう。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)