ネット上にときおり出回る「著名人が死亡した」というデマ。まだ生きているのにどこからかそんな噂が立ち、そのデマはあっという間に拡散される。過去に死亡説が流れた著名人は結構な数に上る。ポール・マッカートニーや故・高倉健、志村けん、みのもんたなど有名であればあるほど、そういったデマはあれよあれよという間に広まっていく。芸能人であれ、一般人であれ、知らない間に「自分が死んだことにされている」という情報を知れば、誰もが驚き怒りを覚えるだろう。このほど中国で、「知らない間に死刑になって死亡扱いされた」という男性がいたことを英メディア『BBC News』が報じた。
広東省広州市在住のチェンさん(45)は、新しい仕事に就くために、犯罪歴がないことを証明する書類を作成しなければならなかった。そのために警察に出向くと、なぜか申請が却下されてしまった。その代わり驚くべき事実が伝えられたのである。
「あんた、10年前に死刑になってるよ。」
チェンさんが書類を確認すると、そこには確かに「死刑」の文字が記載されていた。なんと自分は2006年に誘拐の罪で死刑となっているではないか。ところが書類にそう記されていたにもかかわらず、チェンさんはこの10年間、何事もなく平穏無事に生活して来たという。もちろんチェンさんが誘拐などの犯罪を起こした事実はない。
「香港とマカオに行く時も、政府にビザの申請をしなければならなかったのですが、何の問題もありませんでした」とチェンさんは首をかしげている。どこで自分が“死刑となった”のかはわからないが、警察で調べた結果、同姓同名の男性と身分証明書のカードナンバーが重複していたことが判明した。
公安部では2009年以来、書類にこうした重複がないか一斉にチェックしたというが、チェンさんが「死刑」とされてしまったのは2006年だったことから書類整理から漏れてしまった可能性が高い。現在では同じ名前でも身分証明に誤りはないということだが、中国自体の人口が多く、同姓同名も少なくない故にこうしたミスは完全には消えないと懸念されている。
出典:http://www.bbc.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)