海外発!Breaking News

writer : ac

【海外発!Breaking News】一滴が致死量 ヘロインの1万倍の効果を持つ鎮痛剤が急激に拡散 中国ではネット購入も可能

過剰に摂取すると命を危険にさらす薬物。クマやゾウ、サイなど大型の動物に使用されている鎮痛剤が、新たな麻薬用薬物としてアメリカで広がりをみせている。『fusion.net』など複数のメディアが伝えた。

アメリカで新たな麻薬用薬物として出回っているのは、大型動物用の麻酔や鎮痛剤疼痛として使用されている合成オピオイド「カルフェンタニル」である。その効果はモルヒネやヘロインの1万倍、米国の人気ミュージシャン・プリンスの死因となった「フェンタニル」の100倍にもなると言われている。より強力な刺激を求めてヘロインと混ぜて使用するケースが報告されているほか、ドラッグディーラーがヘロインと偽って販売した結果、ドラッグの過剰摂取に繋がるケースがあとを絶たないという。

アメリカ動物園獣医師協会の医師ロブ・ヒルセンロス氏(Rob Hilsenroth)は、「たった一滴でも人間に死をもたらす危険があるカルフェンタニルを扱う際は獣医でさえも充分な注意が必要です。人間の肌に触れるだけでも危険なので、我々が動物に使用する際は、核燃料にも使われるウランであるかのように慎重に取り扱うのです」と語り、カルフェンタニルが路上で手軽に買える薬物として拡散し始めたことに懸念を抱く。

オハイオ州では先月末、カルフェンタニルをヘロインと思って摂取した10人が死亡、9人が中毒症状を訴え、ディーラーが殺人罪などで逮捕されている。中国ではカルフェンタニルがオンラインで入手可能だ。アメリカでは現在オハイオ州のほか、ケンタッキー州やフロリダ州など一部の州での押収に留まっているが、オハイオ州クリーブランドの米連邦検事局、麻薬組織犯罪対策部のチーフであるジョセフ・ピンジュ(Joseph Pinjuh)氏は「ドラッグディーラーは過剰摂取が死につながることを知って、カルフェンタニルのような強力な作用のある薬物を販売しているのです。ハイにさせることが彼らの目的ですから」と語り、薬物の拡散は時間の問題だと指摘する。

カルフェンタニルは麻薬用薬物として非常に強力に作用する。つまり、副作用も尋常ではない。命を脅かす新たな合成薬物、カルフェンタニルの拡散はアメリカの新たな社会問題となるであろう。さらに危険ドラッグ、合成薬物の国際的な広まりは顕著だ。アメリカだけでなく国際的な流通を防ぐ体制が早急に求められている。

出典:http://fusion.net
(TechinsightJapan編集部 A.C.)