中国・河南省から、非常にユニークな形をした集合住宅の話題が飛び込んできた。ブロックがきちっ、きちっと、しかしランダムにはまってできたようにも見えることから、人々はそれを「テトリスのよう」と表現している。
近年、ちょっと風変わりな建築物がお目見えすると同時に、エスカレーターやエレベーターの事故からビルの倒壊まで建設後の深刻な事故が多発している中国。行政は「粗末な材料の使用や不安定な設計、構造は許可しない」と検査基準を厳しくしているが、河南省鄭州市に誕生した3棟の集合住宅は「そんなことお構いなし」といった感じだ。
『shanghaiist.com』によれば、この建物の写真はさっそく中国のSNSで大きな話題となり、建築家の腕と才能を「まるでテトリスのブロック」「これぞアート。なんとクリエイティブで斬新」といった称賛のコメントがずらりと並んでいるという。しかし専門家ばかりか建築学を学んだ者であれば、こうした複雑な構造は排水システムに欠陥が生じがちであることを知っているもよう。「大雨が降ったら1階の住民でなくとも浸水の被害を訴えるのでは」と警告する声もあるようだ。
なお日本建築学会による「液状化被害の基礎知識」では、人は2~3度の床の傾きでもめまいや頭痛、吐き気を引き起こすことがあり、さらに斜度が上がれば多くに睡眠障害が生じてしまうとしている。人の体、平衡感覚は凹凸、斜め、うねり、ねじれなどにはなかなかデリケートなものである。この集合住宅に関しては「心身の健康を左右する“安定感”が致命的に欠けている。自分はゴメンだ」といった否定的な意見も多いようだ。
出典:http://shanghaiist.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)