中国で近年よく聞かれる「おから工事」という言葉をご存じであろうか。比較的短期でビルが完成するも強度不足の材料を用いた手抜き作業が災いし、次第にボロボロ崩れてくるという実に恐ろしい建築工事のことである。このほど海南省では…!?
中国・海南省の三亜市で1日、とんだ「おから工事」のせいで12階建てホテルの取り壊し工事が始まったことが伝えられ、建築関係者の間で波紋を広げている。この画像は中国のメディア『news.qq.com』が伝えているその記事のスクリーンショット。三亜市建築課の承認を得ないまま着工し、2011年に完成していた「Phoenix Haosheng Seaview Resort」のたった4年後の姿である。
総面積は16,000平方メートル。420のホテル客室と36世帯の賃貸アパートを有するこのビルは、今年1月ごろから所々がボロボロと崩れ始めたという。万が一の倒壊を恐れて住民らは市に「早く手を打つように」と陳情を続け、立ち入り調査によりこれがとんでもない違反建築物であったことが判明。ホテル利用者やアパートの住民は先月25日から退去を進めてきた。
Wu Yanjun市長は「違反建築物ゼロを目指し、今後も厳しい取り締まりと解体を行っていく」と表明したが、こうしたビルが解体された後に出る莫大な量の産業廃棄物や粉じんによる汚染も問題で、「作ってすぐに壊されるようでは資源の無駄遣いもはなはだしい」と人々は激怒している。中国では現在、行政の承認を得ないままプロジェクトが歩き出し、新たなビルが次々と建設されている。先日は57階建て高層ビルがたった19日間で完成した様子をお伝えしたが、「こうしたビルには近寄りたくない」との声が多いようだ。
※ 画像はnews.qq.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)