警察官が、自らの不注意で警察バッジや銃をどこかに置き忘れてしまうなど決して許されない行為である。ましてや忘れられた銃の中に実弾が込められていたとしたら。このほど、スウェーデンで5か月前に一歩間違えば、あわや大事件に発展していたかもしれない警察官のある大失態が監査を終え、今更ではあるが明らかにされたことをスウェーデンのメディア『thelocal.se』が伝えている。
スウェーデン北部ノールランドのイェムトランド(Jämtland)警察署で今年2月26日、ある男性警察官(氏名などは明らかにされず)が自身が勤める署内でとんだ過ちを犯してしまった。現場は男性用トイレ。個室に入り、用を足す前に実弾入りの拳銃を床に置いたはいいが、それを忘れてトイレから出てきてしまったのである。
用事があって警察署を訪れる一般人から事件の関係者、お偉方まで誰もが利用するトイレに置き忘れられた実弾入りの銃。次にそのトイレに入りその銃を発見したのは幸いにも彼の同僚であった。警察官の銃所持や正当な理由での使用が法的に認められている以上「うっかり忘れた」など許されない。発見者である同僚は規則に則り、上官に事実を報告し、拳銃を置き忘れた警察官は職務上の義務違反があったとして調査委員会にかけられた。
監査官から「なぜそのような(トイレに実弾入りの銃を置き忘れる)ことが起きたと思うか?」と尋問されると「ガールフレンドからメールで交際関係の解消を告げられ、非常に取り乱した状態でトイレに入ったためと思われます」と答えたその警察官。勤務時間中にプライベートなメールを受信し、さらにフラれたショックで呆然自失となるなど、銃を置き忘れる正当な理由として認められるはずもなく、彼の処分は「警告文」と決まった。万が一にも拳銃が外部に持ち出され、重大な事件を引き起こす可能性を考えれば、今回の処分は「軽い」と見る向きもあってしかるべきだろう。
出典:http://www.thelocal.se
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)