ゾウは鼻が長く、キリンは首が長いと昔から決まっている。その固定観念を覆される1枚の写真がタンザニアのある国立公園で撮影され、話題となっていることを英メディア『metro.co.uk』が伝えている。
「このマサイキリンには首がないようです」というタイトルのその写真。胴体部分に小さめの顔がずんぐりと埋まっていることがわかる。長い歴史上、ヒトをはじめどの動物においても奇形の発生は一定の割合で起きてしまうものだが、環境の変化や破壊により世界各国で近年その“割合”が非常に高まっている。自然豊かなアフリカでもこのような現象が起きているとは嘆かわしい限りだが…。
このキリンがいるのはタンザニア北部にある「タランガー国立公園」で、撮影したのはそこで野生生物の研究を続ける傍ら、写真家としても活動しているデレク・リー博士(45)。アフリカ東部に分布し、アミメキリンよりやや大柄で知られるマサイキリンだが、季節の移ろいごとにその生息状況を追う研究の中で撮影された1枚だそうだ。
おそらくこの写真に眉をひそめて心配するであろう人々のために、「この写真はイリュージョン、目の錯覚を捉えたものです」とリー博士。しかし彼はそこに「首のないキリンなどいるわけがないと笑っていられるのは今だけ。これは私たちが確実に向かっている将来の地球の姿なのです」と大切なメッセージをつけ加えた。「人類が出現した“更新世”から生き延びてきた巨大な動物はキリン、ゾウ、サイのみ。そんな彼らの個体数が激減し、ものも言わずに滅びようとしている。この現実に私たちはしっかりと目を向けるべきです」と強調している。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)