7日、都内にて開催された映画『64-ロクヨン- 前編』完成披露試写会の後、舞台挨拶が行われた。スクリーン越しに登場を待つ出演者、佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、瑛太らの影が映し出されると、試写を観終わった観客たちはスタンディングオベーションで悲鳴に近い歓声と盛大な拍手で彼らを迎えた。
観客同様に感激した主演の佐藤浩市は、スタンディングオベーションを見て「歳とってるもんで涙腺が弱い」とコメントすると同時にくしゃみをして笑わせた。次に挨拶した綾野剛は「エンドロールを観て目頭が熱くなったのは何年ぶりでしょうか」「皆さまのスタンディングオベーション、浩市さん、凄いですね」と隣に立つ佐藤に話しかけ、会場を沸かせた。
「沢山の拍手の中、ワンシーンも出ていない僕は寂しい思いでいっぱいです。ただ一人、後編からやって参りました」と挨拶した緒形直人には、拍手と笑いがあがる。滝藤賢一は「スクリーンの後ろから皆さんの反応を見て確信しました。この映画は映画賞総なめします。みなさん、おめでとうございます」とキャスト達に向かって呼びかけ、「あわよくば僕も新人賞をとりたい…なんて冗談です」と爆笑をさらった。
1月末公開になった映画『さらば あぶない刑事』に刑事役で出演した仲村トオルは、今回の役柄について「真面目な警察の人をやりました。久しぶりに演じたので何を考え行動している人物か分からなかったかもしれません」と語り、会場を沸かせた。
撮影中、佐藤にお寿司屋さんに連れて行ってもらった時の話を披露した瑛太。「タクシーでホテルに帰る時にたまたま佐藤と2人きりになった」と言い、続けて「“瑛太、おまえ俳優になったな”と言われてウッときたが、どう返していいか分からず…“俳優って何でしたっけ?”と言ったことを思い出し、今ちょっと手が震えてきました」と明かした。
キャストたちの言葉を受け、佐藤は「今、この瞬間。ファン、お客さんに助けてもらって走ってこれたんだなと改めて実感できる」と感慨深げに語った。年長者の三浦友和も「こんなに有名な芸能人を沢山見られることに僕もドキドキしています。飲みに行ったりする人もいてちょっと自慢だったりする」と茶目っ気たっぷりに話し、「これだけのキャストが集まって作品がつまらなくなるわけがない」と自信をみせた。個性あふれる実力派俳優陣たちは演技のみならずトークでも観客の心を鷲掴みにし、会場には笑い声と拍手が響き渡っていた。
推理小説作家・横山秀夫氏が「自身の集大成」と語る映画『64-ロクヨン- 前編/後編』。5月7日に前編、6月11日に後編が公開される。
(TechinsightJapan編集部 斉藤智子)