推理作家・横山秀夫氏によるベストセラー小説『64(ロクヨン)』が映画化され、作品の完成を記念して7日に都内にて完成報告会見が行われた。佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々ほか超豪華キャストら総勢17名が一堂に会し、本作への思いや魅力を語った。
映画『64-ロクヨン-』は「たった1週間で終わった昭和64年」に起きた未解決の少女誘拐殺人事件(通称“ロクヨン”)を起点に勃発する、県警記者クラブを巻き込んだ警察内部の対立や新たに起きる“ロクヨン”模倣の誘拐事件を県警広報官の葛藤とともに描かれた人間ドラマだ。
主演の広報官・三上義信役を務めた佐藤浩市は「本当に身を削らせて頂いた。身を削った映画は久しぶり。これだけのメンバーと毎回毎回対決するシーンが、いい意味で自分の中で映画に対する期待感が膨らんだ。反面、刀傷をずいぶん負いながらもゴールまで行ったな」と撮影を振り返った。同作の魅力については「そんな簡単には言えないでしょう」と笑う。三上の部下を熱演した綾野剛は「これだけの方々が集まる映画ってやっぱりいいな。重厚感のある佐藤浩市さんをはじめキャストの皆さんに囲まれ、この作品に参加できたことが感謝の極みです」と熱弁。佐藤の言葉を受けて「座長である佐藤浩市さんが身を削った作品というところが魅力」と述べると、佐藤から「そのまんま」とツッコまれるも「個人的には一人一人の眼差しが印象に残っている」と明かした。
綾野と共に三上を支える役の榮倉奈々は、同作について「一言で表しにくいが、頑張って表すと熱いです!」「豪華な大先輩方に囲まれた自分の感想でもあるのですが、胸が熱くなるシーンがたくさん詰まっている」と緊張した面持ちで語った。続けて「今、熱いんです。さっきから汗が止まらない。緊張しますね。でもここにいられて嬉しい」と硬かった表情を崩し笑顔を見せた。
役者の先輩として日頃から佐藤を慕う椎名桔平は、佐藤との2人のシーンについて「佐藤先輩に頭を下げられてお願いするシーンが、非常に恐縮に思いながらとても楽しくやらせて頂いた」と満面の笑みで明かす。「出番が少なかった」と言う椎名は、同作の魅力について「全体を語る勇気はございません」と話す。新潟の撮影にて佐藤に飲みに連れて行ってもらったエピソードを披露し、「後輩へのお気遣いが全編に…」と途中で吹き出してしまう場面もあった。すると「お酒一杯おごらせて頂いたお蔭で、サディスティックな椎名桔平を次の日に見ることができ良かった」と佐藤が返し、その場を沸かせた。
その後「誰も酒をおごってくれなかった」と話した奥田瑛二、佐藤の現場での気配り目配りの素晴らしさを絶賛した瑛太、「パワー全開の佐藤浩市さんが本作の魅力」と語った三浦友和。三浦は「年上なんでずっとおごってきましたが、おごって下さい」と佐藤にお願いし、「もろちろんです」と即答する佐藤にステージ上は笑いに包まれた。座長・佐藤浩市のもとに集まった若手からベテラン俳優陣との掛け合いは、現場でのチームワークの良さ、佐藤浩市の存在感そのものが垣間見えた会見であった。
映画『64-ロクヨン-』完成報告会見には他に永瀬正敏、吉岡秀隆、仲村トオル、滝藤賢一、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、瀬々敬久監督、横山秀夫氏が登壇した。
(TechinsightJapan編集部 斉藤智子)