米マサチューセッツ州で2年ほど前に起きた、「Danvers High School」にて14歳少年が女性教師をトイレの個室の中で暴行し、殺害したとして強姦致死罪に問われている事件。検察側と弁護側が激しい攻防を繰り広げて注目を集めている。
2013年10月、14歳であった教え子のフィリップ・チズム(現在16歳)により性的暴行を受けた上で殺害されたのは、当時24歳であったコリーン・リッツァーさんという数学の教師。コリーンさんがトイレに向かったのを見て、少年は教室をそっと抜け出し彼女を追い、トイレの個室に押し入って犯行におよんだ。強姦致死罪の容疑で逮捕・起訴されたフィリップ被告について2回目の公判がこのほど開かれたが、被告が精神的に脆弱であったことを強く主張する弁護側により、またしても結審には至らなかったようだ。
被告の供述によれば、コリーンさんはカッターナイフで11分にわたり体のあちこちを切り刻まれ、刺されたもよう。その遺体は屋外にあったリサイクルボックスに入れて運ばれ、近くの雑木林に埋められた。事件の第一目撃者である女子生徒は「パーカーのフードをかぶった少年がトイレから出てきた。手には血まみれのズボンを持っていた」と証言し、トイレの清掃を担当していたヴィンス・ピメンタルさんは「用務員に報告することなく自分でホースの水で洗い流してしまったが、壁もフロアもすべて血だらけだった」などと証言している。そのリサイクルボックスが証拠品として法廷に持ち込まれることになっており、検察側は「被告人は正気で計画的な犯行」と断罪の必要性を主張している。
一方でボストンのメディア『boston.com』によれば、フィリップ被告は容疑を全面的に認めているものの、他人を怪我させることは決して望んでいなかったとしており、デニス・リーガン弁護士は「事件を起こす少し前からの被告の精神的な脆弱さ、異変などを理解してあげてほしい」と陪審員らに向かって陳情。同州ウースターの病院で行われた20日間にわたる精神鑑定で精神疾患を指摘されたことから被告には治療が開始されているが、フィリップ被告と接見したヴァージニア・メリット博士は非常に慎重な姿勢を見せた。「被告は私に“どこからか声が聞こえてくる。死にたい”と話している。やや短期でもよいが、結論はもう一度精神鑑定を行ってからにしたい」と述べ、またしても結審することなく閉廷した。有罪判決が下れば数十年の懲役を免れない重罪ゆえ、いとも簡単に精神疾患を認めてはならないとする動きが近年非常に活発になっている米国。しかも被告は16歳とまだ若く、次回の公判に大きな注目が集まっている。
※ 画像はdailystar.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)